国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2020年1月末に消えるそうですが、移転先は未定です。

2004-06-07

[]石井研堂『明治事物起原』地理部「北海道地名の命名」 石井研堂『明治事物起原』地理部「北海道地名の命名」 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 石井研堂『明治事物起原』地理部「北海道地名の命名」 - 国語史資料の連関 石井研堂『明治事物起原』地理部「北海道地名の命名」 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 松浦弘、名は武四郎(一に多気志楼の号あり)、和歌山藩の人にて、蝦夷地(いまの北海道)探検の功、偉大なり。その土人を案内者として、全道の山河を跋渉し、地図を製し地誌を編める労苦は、思ひやらる。されば、明治に入りて、おほいにその功を認められ、松平春岳の推挙にて、開拓使判官となり、北海道十二ケ国(樺太を含む)の国割郡別をなし、道名、国名、郡名を撰定せり。その地名撰定案、北見国の条下には、

西テシホ境エキコマナイより、以奥ネモロ境シレトコ迄、海岸二十三里、併リイシリ、レブンシリ二島、一局に仕度奉v存候、此辺、ソウヤ、モンベツ、シヤリ等、如何にも国号に仕候に不都合に御座候間、常に、此辺の事、北海岸と唱来候事故、北の文字相用、カラフト島、快晴の日には見え候に付、北見等如何に御座候哉と奉v存候、
など、意見を開陳せるを見る。

 北海道の地名に、漢字を当てはめしは、大抵松浦氏の案なり。もともとアイヌ語に、漢字を当てはめしことなれば、やむを得ざりし事情は同情すべきも、今日、奇怪極まる鉄道停車場名等を見るごとに、も少し別案もありしなるべしと思はるるもの沢山あり。

 三年三月二十九日、「積年北海道の地理物産を講究し、其著書、本道開拓に裨益ある」を賞され、終身十五人扶持を賜ひ、東京府士族に列せらる。

 明治二十一年二月十日、東京に歿す、年七十一。松浦の雑著草稿等、葛籠に一杯、南葵文庫に預かりありしを見しことあり。もと紀州人なりし因なるべし。

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