国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2020年1月末に消えるそうですが、移転先は未定です。

1776-01-01

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本居宣長

此書は、漢字音仮字<かな>を正<たゞ>さん為<ため>に著せり。凡(そ)其字音、此方に古(へ)より伝(へ)用るところ、漢呉の二(つ)あり。又是(れ)に、近世伝る唐音と云ものを加へては三つ也。此三(つ)の音の事は、予別に『漢字三音考』を著して委く辨せり。さて此中に、彼唐音と云ものは、古来の伝(へ)に非ずして、世に普く用る者にも非れば、是をさしおきて、今はたゞ漢呉二音の仮字を論辨す。抑此字音仮字の常にまがひやすきは、多くはウと引(く)音にあり。アウとワウとオウと混じ、キャウとキョウとケウとまぎるる類也。然れども是(れ)らは其所属の韻により、又其入声の字などにても分るゝことなるが、たゞ辨へがたきは、喉音三行【あいうえお.やいゆえよ.わゐうゑを】の差別にて、其イヰエヱオヲの仮字は、字音のみならず、御国言<みくにことば>に於<おき>ても、後世多くは錯乱して、善く是を辨る人無して、数百年を経<へ>たり。然るに近世難波の契沖僧、始て是を考ヘ出し、『和字正濫抄』を著せるより、古の仮字再び世に明らかになりぬるは、比類なき大功なり。その後復古学の道いよ/\開けて、古言仮字づかひにおきては、今は遺漏無きを【近年出来たる『古言梯』、便りよき書也】、字音仮字に至ては、未(た)詳(か)に考ヘ定めたるものなくして、喉音三行の仮字は殊に明らかならず。故に今先(つ)此三行の義を辨ずること左の如し。

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