兵藤裕己『〈声〉の国民国家・日本』

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
最善の説を記録しているものではありません。変な説も記録しています。
書誌として不完全です。
項目の形に規準はほとんどありません*
「検索」ボタンを活用して下さい。 岡島昭浩がやっております。 一部、JSPSの15H01883,18520354などの恩恵を受けております。

2020年1月末に消えるそうですが、移転先は未定です。

兵藤裕己『〈声〉の国民国家・日本』

兵藤裕己

NHKブックス900

2000年11月20日 第1刷発行

“声”の国民国家・日本 (NHKブックス)

“声”の国民国家・日本 (NHKブックス)

序章 声と日本近代

 一九三〇年代の浪花節

 柳田民俗学

 桃中軒雲右衛門

 声の共同体《ユニゾン》

 もうひとつの近代文学


第一章 貧民窟の芸人

 桃中軒雲右衛門と新網芸人

 浪花節組合の発生

 明治の三大貧民窟 膨張する貧民窟

 賎民芸能者・願人坊主

 浪花節の母胎・チョボクレ

 チョボクレ・チョンガレの伝播

 七色節・五色節という新名称

 流行するヤンレー節と踊り口説

 「難波ぶし」から浪花節


第二章 演説大道芸浪花節       43

 「下等」の演芸

 自由民権運動と演説

 祭文の流行

 デロレン祭文の歴史

 江戸祭文から上州祭文

 デロレン祭文の全国伝播

 ヒラキの大道芸

 ヒラキの閉鎖

 祭文から浪花節への転向

 声が創る心性の共同体


第三章 声の伝播、物語の流通       75

 日本人ならだれでも知っている物語

 日本社会の言語的アイデンティティ

 柳田民俗学のバイアス

 都市的な大衆芸能

 祭文の出し物

 語りの技術

 明治一〇年代の講釈番付

 何が語られたのか

 講談落語との衝突

 国権論と浪花節

第四章 講談速記本がら浪花節

 講談から浪花節

 講談の源流――太平記読みの系譜

 乞胸の大道芸

 やくざの原型

 大道講釈浪花節

 読み物講談 

 赤穂義士伝の登場

 講談速記本の流行

 講談の退潮と浪花節の台頭

 浪花節の「好感化」

 社会主義者と右翼浪人

 労働者と浪花節


第五章 「家族《ファミリー》」のモラルと法制度

 左翼思想への「防塞」

 仇討物の流行

 仇討と孝のモラル

 仇討物の基本構造

 親分子分という組織原理

 法制度という悪役

 制度外のファミリーと無宿渡世

 祭文語りの「家」

 座頭の「家」

 当道盲人の「家」

 瞥女の「家」

 ファミリーとしての貧民窟

 やくざ・芸人・国民


第六章 物語としての国民

 シマという共同体

 芸人のモラル

 やくざのモラル

 モラルが生む「国民」

 隠蔽された天皇

 国民国家のモラル

 崩壊する家族秩序

 自然主義文学と「家」

 都市の不安定な大衆

 自由恋愛とアナーキズム

 桃中軒雲右衛門の出自


第七章 桃中軒雲右衛門の声

 テロルとモラル

 大衆をからめとる浪花節

 浪花節芸人としての宮崎滔天

 侠と狂のあいだ

 日露戦争の熱気のなかで

 こころざし世にならびなき雲右衛門

 東京を席巻する雲右衛門

 赤穂義士伝をどこでおぼえたか

 「南部坂雪の別れ」

 雲右衛門節の特徴

 雲右衛門の声

 声、母なるもの

 近代の国民叙事詩の誕生


第八章 日本近代の解体

 国民国家のアポリア

 戦争と浪花節

 自然主義社会主義

 大逆事件への道

 夏目漱石桃中軒雲右衛門

 浪花節H庶民芸術論

 昭和浪花節ブーム

 NHKの全国ラジオ調査

 ラジオ放送とファシズム

 社会主義と社会ファシスト

 近代国家の解体

 日本近代」の帰結

 おわりに――ポスト近代の国民


参考文献

あとがき

講談社学術文庫

〈声〉の国民国家――浪花節が創る日本近代

〈声〉の国民国家 浪花節が創る日本近代 (講談社学術文庫)

〈声〉の国民国家 浪花節が創る日本近代 (講談社学術文庫)

書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。