国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2012-03-22

[]全国共通の田舎言葉(桂文楽) 全国共通の田舎言葉(桂文楽) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 全国共通の田舎言葉(桂文楽) - 国語史資料の連関 全国共通の田舎言葉(桂文楽) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

松の山のホテルではその地方の訛りもきき、参考にエハガキもみせてもらい、もっとも「松山鏡」の伝説は方々にあるんだそうですが、しかし完全な越後の言葉でしゃべると全国的には分らなくなってしまいます。

 ですからやはり落語田舎言葉でやるよりないとおもいますネ。よくはなしかは信州も上州も甲州も同じ言葉でしゃべっていけないといわれますが、じつは我々の祖先がいまいったようなことを考えて、うそは百も承知で各国共通の田舎言葉をこしらえてくれたのだとおもっています。

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2011-12-16

[][]明治役割語(続)(土子笑面「話術新論」明治の役割語(続)(土子笑面「話術新論」) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 明治の役割語(続)(土子笑面「話術新論」) - 国語史資料の連関 明治の役割語(続)(土子笑面「話術新論」) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 唯雅俗男女老若等の区別のみならず場合によりては地方の語をも夫々使ひ分るをよしとす。たとへば京都の人なら「サカへ」「ソウドス」「アンジヤウ」「マ、ドーエ」などいひ鹿児島の人なら「ビンタ、ウッタクラル丶」「ヤマイモホリ」「イッキセン」などいひ仙台の人なら「四時四十分」を「スヅスヅップン」などいふの類也。此の他百性の「アンダンベー」東京子の「ベランメー」等中々多し。尤も話術家なりとて日本全国の邦語に通ずるは殆ど望むべからず況んや西洋支那語等に於てをや。到底尽く真に迫るといふ訳には行かざるべしといへども此の邦語を用ゐざれば其の人物をあらはすことあたはざる場合には殊更に耳立つ処丈けも邦語を以てするかたよし。即ち今日の落語家の仮声は田舎者といへば何処の出生にもかまはず大概おなじ様に「アンダンベー」口調を用ゐるものなれども殊更に耳立つ処のみを取り東京の聴聞者が聞きて如何にも田舎者らしく聞ゆれば是れにて可なり。総じて美術といふものは、必しも尽く真に迫れるを取るとは限らず。大体事物の精神を写せば、枝葉の事は差のみ真に迫らずとも美妙の感覚を惹起すに足るものなり。此の故に今日の演劇を見るに必しも尽く邦語を以てせず皆同様の語を以てしてもよく熊谷の人物敦盛の人物を美術的にあらはすにあらずや。是れ東京の見物人に対して熊谷の言語が如何にも表はつよくして内心に堪がたき情を含む様に聞え敦盛言語が優美にして如何にも無官の太夫のごとく聞ゆるによるものにして即ち両者の精神を取りたれば也。

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文体 (日本近代思想大系)

文体 (日本近代思想大系)

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2011-12-15

[][]明治役割語土子笑面「話術新論」明治の役割語(土子笑面「話術新論」) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 明治の役割語(土子笑面「話術新論」) - 国語史資料の連関 明治の役割語(土子笑面「話術新論」) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 上来述ぶるが如く大体話の地は平語を以てすべしといへども話中の人の言語は必しも平語と限ることあたはず。素と人の言語は其の人物をあらはすに最も密着の関係を有するものなれば其の人物をあらはすに必要なる丈けの言語は用ゐざるべからず。即ち其人の用ゐべき語を使ふべし。たとへば漢学者は多少堅き語を使ひ車夫馬丁は下等の俗語を用ゐ力士はつよく俳優はよはく男は男らしく女は女らしく老人は老人らしく子供は子供らしく口をきけばこそ其の人物を知るなれ。是等を一概に同様の平語を以て口述しては反て味ひなし。西洋人日本語を使ふには

「アナタ、タクサンワルイアリマス」

「ソレ、イケマセン云々」

などいひ子供は

「サヤウナラ」

といはずに

「アバヨ」

といふものなれば話中に西洋人・子供を出して其の言語を述べんには須らく右の如くいふべし。

是れ即ち人物を美術的に口述するの一法なり。但し如何に和学者漢学者洋学者言語を述ぶればとて殊更に非常に六つかしき語のみを使ひては是も亦面白からず。たゞ一寸と聞きて如何にも和学者漢学者洋学者の如く感ずれば足れりとする訳なれば此の辺は実地に臨みて斟酌するを要する也。

http://kindai.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/902869/27
文体 (日本近代思想大系)

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2009-05-04

[]野武士でござる(小栗虫太郎) 野武士でござる(小栗虫太郎) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 野武士でござる(小栗虫太郎) - 国語史資料の連関 野武士でござる(小栗虫太郎) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

ところで、おそらく読者諸君は誤解されることと思うが、私はいま、この人物に武家言葉を使わしている。しかしそれは、エチオピアにおいては、けっして不自然ではない。大名あり、槍持、鉄砲、挟み箱をつらねて行列もするし、言葉も、アクセントの入れ方が普通人とはちがう。

小栗虫太郎『人外魔境』第六話「畸獣楽園(デーザ・バリモー)」(第一節「野武士(シフタス)でござる」)昭和十五年

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