国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2010-04-26

[]「連用言」(義門和語説略図聞書」) 「連用言」(義門「和語説略図聞書」) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「連用言」(義門「和語説略図聞書」) - 国語史資料の連関 「連用言」(義門「和語説略図聞書」) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

連用言、これは「用につづく言」とよむつもり。是は「八衢」に「用言へつづく言」と毎々申してある。それを名目にして「連用言」と云うたもの。この文字の遣ひ方も念を入れて申しておく。つづく/\と云ふときには「玉緒」では「続」の字書てある。夫ではこれらも「続用言」と云ふべき也。而るにこれに「連」の字を書いたのは、私共漢字不案内なれば、「友鏡」を作るとき猪飼敬所先生、又松本愚山先生両方へ僉義を頼んだれば、「かやうのことには「連」字を書くべきことぢゃ」と指図に依て「連用言」と云ふ名を立つ。此は「用言へつづく言」と云ふを切り短かに連用言と云ふつもり也。これを「連なる」とよんでは悪い。

原文片仮名、他表記を改む

三木幸信『義門の研究』p.944-945

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2010-04-16

[]古言梯標註後序 古言梯標註後序 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 古言梯標註後序 - 国語史資料の連関 古言梯標註後序 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

古言梯標註後序

 ふるごとまなびのをしへ、ひらけそめてより、かなづかひのふみどもこれかれとおほかれど、古言梯にまさるべきはたあらざりけり、それがなかにも、いさゝかあやまれることあるを、村田大人のかうがへたゞされしうへ、おのれ又なにくれと、しるしそへおきたるを、難波の書商人のもとに、此書ふたゝびゑりあらためむとする事ありて、かの大人の考に、おのれが書くはへしことゞもをも、ゑりそへにけり、おのれ去年の春、みやこにのぼりたるついで、難波にくだりて、はじめてそのゑりあらためたるをみしに、さかしらにうつしつたへて、たがへるも、もれたるもあれば、おのれにとひはかりもせで、かくなしをへたるを、とかくいひなじりたれど、はやくゑりはてたることなれば、せむよしなしとて、わぶるをいかゞはせむ、かくてもあべかなりとてこゝかしこおぎなひ、あらためさせて、ゆるしあたへぬ。なほいはまほしきことは、ものゝついでをまちて、とてなむ。

  文政四年三月                                   清水濱臣

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2010-04-14

[]仙源抄仙源抄跋 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 仙源抄跋 - 国語史資料の連関 仙源抄跋 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

文字つかひの翦、此物語(源氏物語のこと)を沙汰せんにつきては、心うべきことなれば、ついでに申侍べし。中頃定家卿さだめたるとかいひて、彼家説をうくるともがらしたがひて用るやうあり。おほよそ漢字には四聲をわかちて、同文字も習にしたがひて、心もかはれば、子細にをよばず。和字文字一に心なし。文字あつまし(り歟)て心をあらはすものなり。されば古くより聲のさたなし。或は別の聲を同音に用たるあり。【】或はを音にたとへたるあり。【】この類是にかぎらず。萬葉を見てひろく心得べし。まづいろは四十七字の内、同音有は、いゐ、をお、えゑ也。此外に、はひふへほわゐうえをとよむは、詞の字のに付てつかふ文字也。しばらくいろはを常によむやうにて聲をさぐらば、おもじは去聲なるべし。定家が、おもじつかふべき事をかくに、山のおくとかけり。誠に去聲とおぼゆるを、おく山とうち返していへば、去聲にはよまれず、上聲に轉ずる也。又おしむ、おもひ、おほかた、おぎのは、おどろくなどかけり。これはみな去聲にあらず。此内おしむは、おしからめといふおりは去聲になる。思も、おもひくと云おりは、初のおもじは去聲、後のは去聲によまれぬ也。又え文字も、去聲なるべきに、ふえ、たえ、えだなどかけり。すべていづれの文字にも、平上去の三聲はよまるべき也。たとへばかもじとみもじとをあはせむに、かみ、神也。かみ、紙也。又一字にては、は、木葉也。は、楽破也。しかのみならず、同心にて同字をよむに、上下にひかれて聲かはる事あり。天竺悉曇の法に、連聲といふことあり。又内典の經など讀にも、聲明の音便によりて、聲をよみかふることのあるも皆此類なるべし。かみ、かみ、神也。といふに、ほじめのかもじは去聲によまるも又一字にとりても、序破急といふおりは、はの字平聲によまれ、破をひく、はをふくなどいふをりは、去聲になるたぐひのごとし、これにてしりぬ、和字にもじつかひのかねて定めをきがたき事を。定家かきたる物にも、緒の音を、尾の音お、などさだめたれば、音につきてさたすべきかと聞えたり。しかれども、その定たる所の四聲にかなはず。又一字に儀なけれぱ、そのもじ其にかなふべしといひがたし。音にもあらず、儀にもあらず、いづれの篇に付てさだめたるにか、おぼつかなし。

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2010-04-13

[]仮名文字遣仮名文字遣序 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 仮名文字遣序 - 国語史資料の連関 仮名文字遣序 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

京極中納言【定家卿】家集拾遺愚草清書を祖父河内前司【于時大炊助】親行に誂申さ春る時、親行申て云、を・お・え・ゑ・へ・い・ゐ・ひ等の文字の聲かよひたる誤あるによりて、其字の見わきがたき事在之。然間、此次をもて後學のために定をかるべき由黄門に申處に、われもしか日來より思よりし事也。さらば主爨が所存の分書出して可進由仰られける間、大概如此注進の處に、申所悉其理相叶へりとて則合點せられ畢。然者、文字遣を定事、親行が抄出是濫觴也。加之、行阿思案之するに、権者の製作として眞名の極草の字を伊呂波に縮なして、文字の數のすくなきに、い・ゐ・ひ・を・お・え・ゑ・へ同讀のあるにてしりぬ、各別の要用につかふべき謂を。然而、先達の猶書漏されたる事共ある間、是非の迷をひらかんがために、追て勘るのみにもあらず、更に又、ほ・わ・む・う・ふの字等をあたらしくしるしそへ畢。其故は、ほはをによまれ、わははにかよふ。むはうにまぎる。ふは又うにおなじきによりて、是等を書分て段々とす。殘所の詞等ありといへども、是にて准據すべき歟。仍子孫等此勘勒之趣を守て可神祕々々。

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2010-04-12

[]軽重静舎随筆軽重([[静舎随筆]]) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 軽重([[静舎随筆]]) - 国語史資料の連関 軽重([[静舎随筆]]) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

言葉清濁のふたつと。重き軽きの二は必ある也。もの皆清濁重きかるきあるは。即陰陽にして。天地おのつからのことわりなり。今のたゝことゝいへとも。清濁おもき軽きなき時は。分るへからす。古書仮字つかひわけたるも専ら其事と見ゆ。(中略)言辞のおもき軽きも。ことわりによりていはゝ。百千にわかるへけれと。こもあらはなるものは。いゐえゑをおのみと見ゆ。五十韻につらぬる則は。いえの声三ありといへとも。口に分るゝものは。おもきと軽きの二のみなり。かれたゝ二のみをわかてりと見ゆ よりておもふに。いにしへおのつから。大をおほと唱ふる音は重く。小ををといふは軽きなるへし。よりておほのほを略きておとのみいふ則は。その音おもきか故に。小の事とはならす。大小のことのみにも非す。おのつから軽く唱ふる物には。いえをの仮字を用ゐ。重きにはゐゑおの仮字を用ゐしなるヘし。されは二にはわかれて。三には分るへからす。悉曇にてはいえの音も三にわかると見ゆれと。わか国の声は。たゝおもき軽きの二つのみと見ゆ

上田秋成全集第六巻p.376

もろこしには声音言詞のわかちをいへども。わが国にしてはこゑとことばとのみ也。こゑには必|韻《ひゞき》あり。おもきあり。かろきあり。すめるあり。にごれる有は。声即音をかぬるが故に。字音の如くに声音とわけいふことばなし。

上田秋成全集第六巻p.383

軽重

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