国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

間違い・不足などがありましたら、せせら笑って済ませずに、コメントを頂くか、よりよいものをどこかで公開なさっていただければ、幸甚至極です。

2006-04-13

[][]水原明人『江戸語・東京語・標準語』講談社現代新書 水原明人『江戸語・東京語・標準語』講談社現代新書 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 水原明人『江戸語・東京語・標準語』講談社現代新書 - 国語史資料の連関 水原明人『江戸語・東京語・標準語』講談社現代新書 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

平成6.8.20発行 p56

なぜ、漢語が流行ったのか?

 まず、当時の武士、知識人の教養の基礎が漢学だったことである。しかも、前にも述べたように、全国の各藩はそれぞれに割拠していて、お互いの交流が乏しかったため、一般の話しことばは地方独特の訛がはげしくて、同じ日本語でありながらことばがほとんど通じなかった。そのため、真偽のほどは疑わしいが、九州と東北の武士が話し合うのに、これまた武家共通の教養であった謡曲の文句を使って会話をかわしたという挿話さえ残っている。考えてみると、謡曲の詞章も漢語を交えた文語体である。つまり、漢語というのは当時の武士、知識人にとって全国どこでも通じる共通語だったのである。

トラックバック - http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20060413

2006-04-12

[]陳舜臣「時代劇の約束ごと」 陳舜臣「時代劇の約束ごと」 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 陳舜臣「時代劇の約束ごと」 - 国語史資料の連関 陳舜臣「時代劇の約束ごと」 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

(『走れ蝸牛』二玄社 平成3.11.30発行 p276 もと全日空機内誌『翼の王国』昭和64.1-平成2.12連載のうち)

 幕末、鹿児島の人間が会津へ行ったり、会津の武士が京都へ行ったり、いわば「国際化」が活発になったが、やはり言葉では苦労したようである。ときには全く通じないので一計を案じ、謡(うたい)で応酬する場面もあったという。謡は武士のたしなみであり、おもな能狂言の筋書はみな知っているはずだから、うまく採り出せばけっこう通じたそうだ。

トラックバック - http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20060412

2006-04-11

[][]尚学図書編『方言読本小学館 尚学図書編『方言の読本』小学館 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 尚学図書編『方言の読本』小学館 - 国語史資料の連関 尚学図書編『方言の読本』小学館 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 平成3.8.1. 155頁

謡曲方言差を克服した話」

 明治維新のころはそうではなかった。奥羽地方を転戦する薩長の兵士が、地元の兵士と自由に会話しようとしても、全く通じなかったために、教養として身に付けていた謡曲語でやっと交流したという話がある。つまり、謡曲共通語というわけである。

 戊辰戦争がらみの話が多く、中には薩摩黒田清隆と秋田藩の添田清左衛門との間の逸話とする具体説もあるが、調べてみると、どうもこれは江戸期に遡る〈伝説〉らしい。

トラックバック - http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20060411

2006-04-10

[]対談「ゆっくりした重さと軽い素早さのあいだに」堀田善衞/鶴見俊輔 対談「ゆっくりした重さと軽い素早さのあいだに」堀田善衞/鶴見俊輔 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 対談「ゆっくりした重さと軽い素早さのあいだに」堀田善衞/鶴見俊輔 - 国語史資料の連関 対談「ゆっくりした重さと軽い素早さのあいだに」堀田善衞/鶴見俊輔 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

『ちくま』242号 平成3.5

堀田 明治以前の文化というもので、一番バインディングといいますか、というものは、僕もやらされて閉口しちゃったけど、謡曲だと思いますよ。つまり昔むかしは、青森の侍と薩摩の侍じゃ、全然話が通じなかったわけだからね。それで彼らは、どのことばで話したかといえば、謡曲ことばで話したわけでしょう。謡曲ことば共通語だったわけですよ。西洋ならラテン語になるのでしょうけど。だから、謡曲というものは、日本人のバインディング・パワーとしては相当なもんだったんだろうと思います。そしてかなり高級なものでもあり、そして、幽鬼の世界というものとこの世を、形而上と形而下をつなぐ、そういうかなりなパワーを持っていましたね。霊的な力もあったし。

トラックバック - http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20060410

2006-04-09

[][]徳川宗賢日本語地域差とその消長」 徳川宗賢「日本語の地域差とその消長」 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 徳川宗賢「日本語の地域差とその消長」 - 国語史資料の連関 徳川宗賢「日本語の地域差とその消長」 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

ことばの比較文明学』福武書店 平成2.7.17

p397戊辰戦争に際して東北に転戦した西日本出身の武士がふだんの言葉を使っては通じないために謡曲言葉を使ってはじめて意思を疎通したなどという伝説さえあるのですから、

トラックバック - http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20060409