国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2010-04-23

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講談とても事によりては、註解を併せ説くことあれども、大方は、本文ばかりなるべし、大抵一章、もし長き章ならば、半章、又至て短き章ならば、二三章にもいたるべし、字義、文義をくわしく和解して、俗耳に入りやすからしめ、今日の人情世態に親切にして、聴人の程々に従ひ益ありて害なきやうに、云きかすを主とすべし

原文片仮名

『中村幸彦著述集4近世小説史』

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2010-03-23

[]集議と魚市(村垣淡路守日記集議と魚市([[村垣淡路守]]の日記) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 集議と魚市([[村垣淡路守]]の日記) - 国語史資料の連関 集議と魚市([[村垣淡路守]]の日記) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

評議の席とて案内するに二十間に十間もあるべき板敷にして四方折廻し、二階敷にして合天井の如く、格子に組て金銀彩色の模様ある玻璃の板を入、高き事二丈余も有べし、正面高き所に副統領(ワイスフレッシテントといふ)前に少し高き台に書記官二人、其前円く椅子を並べ、各机書籍を夥しく設け、凡四五十人も並居て、其中一人立て大音声に罵、手真似などして狂人の如し、何か云ひ終りてまた一人立て前の如く、何事なるやととひければ国事は衆議し、各意中を残さず建白せしを、副統領聞きて決するよし。二階桟敷には男女群集して耳をそばだてゝ聞たり、かゝる評議の席のかたはらに聞てるしが、何成と問ふべき由云ぬれど、もとより言語も通ぜず、又とふべきことはりもなければその儘出ぬ。二階に登りてまた此桟敷にて一見せよとて椅子にかゝりて見る、衆議最中なり、国政のやんごとなき評議なれど、例のもゝ引掛筒袖にて大音に罵るさま、副統領の高き所に居る体抔、我日本橋の魚市のさまによく似たりとひそかに語合たり。

尾佐竹猛幕末遣外使節物語』による。

世界ノンフィクション全集十四巻には現代語訳遣米使日記(川村善二郎?訳)

村垣淡路守範正

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2009-04-09

[]江戸っ児の軽佻浮薄な癖 江戸っ児の軽佻浮薄な癖 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 江戸っ児の軽佻浮薄な癖 - 国語史資料の連関 江戸っ児の軽佻浮薄な癖 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

今日のように話下手になったのは、江戸っ児の軽佻浮薄な癖がしみじみ厭になって、中年頃から自分で自分をたしなめるように仕向けたせいである。(中略)こう話下手になってしまっては、どうも淋しくていけないし、文章などにも影響するところがありそうに思う

谷崎潤一郎『青春物語』中公文庫 p29-30

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2009-03-16

[][]「東京弁になろうとしても東京弁になり得ず」(斎藤茂吉「東京弁になろうとしても東京弁になり得ず」(斎藤茂吉) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 「東京弁になろうとしても東京弁になり得ず」(斎藤茂吉) - 国語史資料の連関 「東京弁になろうとしても東京弁になり得ず」(斎藤茂吉) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 私が東京に来て、連れて来た父がまだ家郷に帰らぬうちから、私は東京語の幾つかを教わった。醤油《しょうゆ》のことをムラサキという。餅《もち》のことをオカチンという。雪隠《せっちん》のことをハバカリという。そういうことを私は素直に受納《うけい》れて今後東京弁を心掛けようと努めたのであった。

 私が開成中学校に入学して、その時の漢文は『日本外史』であったから、当てられると私は苦もなく読んで除《の》ける。『日本外史』などは既に郷里で一とおり読んで来ているから、ほかの生徒が難渋《なんじゅう》しているのを見るとむしろおかしいくらいであった。しかるに私が『日本外史』を読むと皆で一度に笑う。先生は磯部武者五郎という先生であったがお腹《なか》をかかえて笑う。私は何のために笑われるかちっとも分からぬが、これは私の素読は抑揚|頓挫《とんざ》ないモノトーンなものに加うるに余り早過ぎて分からぬというためであった。爾来《じらい》四十年いくら東京弁になろうとしても東京弁になり得ず、鼻にかかるずうずう弁で私の生は終わることになる。

「三筋町界隈」

岩波文庫斎藤茂吉随筆集』

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2009-02-08

[]読んでお聞せな 読んでお聞せな - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 読んでお聞せな - 国語史資料の連関 読んでお聞せな - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

おとよ「オヤそりやア読本とやらだねえ。おろく「あゝ好文士伝と云ふ為永の新作だよ……おとよ「オヤ夫れじやア面白いねえ。姉さん私にも些と読んでお聞せな。おろく「あゝその代り読み賃に嘉喜餅でも焼くなら。おとよ「かき餅でも何でも焼くから。おろく「そしてお茶も拵へるのだよ。おとよ「オヤ大そう高い読賃だねへ。ホ丶丶丶丶 おろく「それだつて読むにやア息が切れるものを。そして当世《いき》な所やまた婀娜な所があると直きに身に引き比べて恍惚《のろけ》たがるから困るよ。それだから余程読賃を余計に為ないぢやア合はないね……

(『処女七種』第二十五回)

前田愛「音読から黙読へ」近代読者の成立

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