国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2016-01-01

谷崎潤一郎「関西の女を語る」 谷崎潤一郎「関西の女を語る」 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 谷崎潤一郎「関西の女を語る」 - 国語史資料の連関 谷崎潤一郎「関西の女を語る」 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

言葉は段々地方的特色を失ひつゝある。男は殆ど東京辯とも違ふ標準語といふ奴になりつゝあるが、女は阪神沿線は別として、市中ではまだ、學校などでも一種關西風の女學生言葉を使つてゐるやうだ。東京辯と比べると一長一短だが、實をいふとこのごろの東京辯といふものは以前よりひどく惡くなつた。純粹の東京人が少くなつたせゐかもしれぬが、昔と同じ言葉でも音の出方が卑しく、調子が非常に荒んで聞える。殊に奥さんと藝者がひどい。それから「さうでござんす」といふのを詰めた「さうづざんす」といふやうな前には嘗てなかつた言ひまはしがふえた。あれは實に下品だ。あんなのから見ると女は關西辯の方が優つてゐるかもしれぬ。それに氣持のいゝのは、あの不偸快な「遊ばせ言葉」をこちらではきかないことである。いまどきあんなまはりくどい山の手言葉は東京人?もやめたがいい。

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