国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2011-06-02

松下大三郎『改撰標準日本文法』第一編 總論 第一章 言語 第一節 言語本質及び諸相(2) 松下大三郎『改撰標準日本文法』第一編 總論 第一章 言語 第一節 言語の本質及び諸相(2) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 松下大三郎『改撰標準日本文法』第一編 總論 第一章 言語 第一節 言語の本質及び諸相(2) - 国語史資料の連関 松下大三郎『改撰標準日本文法』第一編 總論 第一章 言語 第一節 言語の本質及び諸相(2) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 文法 言語が多數の人に共通に思想を通し得る所以は、その説話の構成に體系的に統一された法則が存在するからである。此の説話構成の法則を文法或は語法名づける。文法には内面的法則と外面的法則とが有る。それは言語に内面(思念)と外面(音の心象乃至聲音文字)との二面が有るからである。内面的法別とは思念に關する方面で外面的法則とは音の心象乃至聲音文字に關する方面てある。例へば主格名詞主語になるとか客格名詞客語になるとかいふ樣な法則は内面的で、主格は「が」を附けるとか客格は「を」「に」を附けるとかいふ樣な法則は外面的である。文法といふ語は始め漢學者の用ゐた語で、修辭の法の意であつて抑揚頓挫波瀾などいふ規範的法則を指すのであった。和學者は今日いふ文法をば語格と云った。洋學者はGrammarを譯して文典と云つた。文典とは文法文法學文法書の三義に用ゐられたので、法則を指す爲には文法と改められた。もと主として文語の法期を研究したから文法といふ語が用ゐられたのであるが、それを口語にも利用して口語文法などいふ樣になり、又一方では口語文法とはふさはしくないと思ふ人が語法といふ語を用ゐ出した。文語も語であるから一方では語法といふ語は文語にも適用せられ、一方では文法といふ語は口語の法則にまで既に押し廣められてゐるのであるから、今日では文法語法の二語は同一意義となった。

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