国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

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2005-10-29

[]『福井県方言集』昭和六年 1 17:31 『福井県方言集』昭和六年 1 - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『福井県方言集』昭和六年 1 - 国語史資料の連関 『福井県方言集』昭和六年 1 - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

緒言

一、

本書は福井縣下に現在行はれてゐる方言を蒐集して、五十音の順に排列整理したものである、蒐集については主として本校生徒の手を煩はし、各自出身の郡市に行はれてゐるものについて、それに該當する標準語又は其の意味を併記して提出させ、それ等の言語説明や排列整理編纂といつた様な仕事は、教師が之に當つたのである。

二、

本研究に於て使用する方言意味は、或る地方に現に行はれてゐる言語の中から標準語を除いたものをいふので、その標準語が首府東京の教養ある中流社會に現在行はれてゐる言語意味する事はいふまでもない。随つて方言とは其の言語の語形・語音・語義・語法等の点において標準語と異つた所の有るものに名づけた名稱である。世間でよく方言訛語と並べていつてゐるけれども、此の意味からは訛語方言中に入れて差支ないのである。標準語の「菓子」を本縣で「アンマ」といふのは、形・音・義共に異つてゐるので實に目立つた方言といはねばならぬ、標準語の「預つて下さい」を本縣で「預けて下さい」といふは、語法上の誤りで矢張り方言である。又「電気」を「れんき」といふのは語音の不正で所謂訛語の中に數へられてゐるので方言とすべきである、或は「完全」といふ意味に「塩梅」の語を用ひるのは、語義上一般に通じないから無論方言といふ外はないのである、それから又如何に雅言であり、昔立派に通用した所謂古語であつても現代の標準語として生命の無いものは、地方に活きてゐても方言中に入れることににした、小児語といへども片言隻句でない限り、標準語のそれと異れば同じく方言中に包含せしめたのである。

三、

分布の上から見ると、本縣の方言は本州中部方言中の北陸方言と本州西部方言中の近畿方言との兩方に誇り、而も若干相交錯してゐる状態に在るので、研究といふ点からいふと随分貴重な資料を提供してくれてゐるし、極めて興味深く從事が出來る譯である。數年乃至十數年間も繼續的にこつ/\と研究の歩武を進めて行くならば、必ずや相当なものが出来上ることであらう。併し乍ら本校が郷土研究の一部として行ふ所の方言研究は、國語の改善統一の爲に行ふべき方言の矯正に直接役立たせることを當面主要な目的としてゐるので、大成の期を待つて始めて發表するといふことなく、大成に向ふ過程中の一纏り/\を示す必要がある。そこで差當り本書の上梓を見るに及んだ次第である。内容としては蒐集した方言アクセントを附し、それに該當する標準語又はその意味を併記しそれ等方言の分布を明かにし、簡單な言語説明が試みてある。一方又方言の語形式即ち語法の一端をも窺ひ得る爲に、方言を含む語句を郡市別に擧げて、それに該當する標準語が併記してある。

四、

斯様にして不十分乍ら出来上つた本冊子は、之を本校生徒各自に配布携帯せしめて學習研究の活資料に充てる外、縣下の初等教育者諸氏にも頒つて是正を乞ひ、教育上の参考にも供したいと思ふ。向後生徒諸子の繼續的な研究調査と教育實際家諸彦の示教とによつて、之に訂正を加へ増補を行つて、出来得べくんばさゝやかな方言辭典の編纂にまで漕ぎ付け度い冀望を有するものである。

昭和六年七月

福井縣福井師範學校


凡例

一、

方言は成るべく表音的に片假名を以て記すことにした。琉球方言の如く假名を以てしては殆ど表はし得られぬ音は少いにしても、假名を以てしては矢張不十分なものがないでもない。五十音の順になつてゐるとはいひ乍ら「は」と「ば」「ぱ」を同一塲所におく様にして單純化することにした。

二、

方言単語を主としたけれど、便宜上、句の形になつたものも採ることにした、右傍に附けた線はアクセント符で、複線は単線よりも比較的高いことを示す。

三、

その方言に該當する標準語が無いものは其の意味を記すことにした。

四、

方言言語説明は平易を旨として語源にも觸れることにした。

五、

方言の分布の所は郡市別として普通唱へてゐる順序に從つて正しく掲げる事にした。それが自づと若越の二國に分れてゐるから好都合である。但、郡市を分布の單位としてゐるもの、其の郡市の全地域に行はれてゐると限つてはゐない。尚、郡市名は略號を用ひて福井市は福、足羽郡は足、吉田郡は吉、坂井郡は坂、大野郡は野、今立郡は今、丹生郡は丹、南條郡は南、敦賀郡は敦、三方郡は三、遠敷郡は遠、大飯郡は飯を以て表はすことにした。

六、

巻尾に方言を含む相當長い文句を掲げたのは、併記の標準語と對照することによつて、方言語法の一端を知り得るに好都合だと考へたからである。

七、

訂正増補の方法としては各自において訂正は誤りと思はれる個所は全部に亘つて之を行ひ、増補の方は単語なり文句なりを前例に倣つて餘白に追加すること、それを或る時期に全部學校の方で集めて、綜合整理の上増訂版として復、印刷に附する積りである。

#方言|其の標準語又は意味|其の言語説明|其の分布(福足吉坂野今丹南敦三遠飯)

アイ|鮎|「アイ」は「アユ」の転、「アイ」の発音は「アエ」と曖昧なのもある|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アイケン|じゃんけん|「アイケン」は相拳又は合拳の意だろう|坂野丹

アイナ|さやうなら|「アイ」はもと応答の感動詞、「ナ」は感動詞若しくは「ナラ」の略|吉坂

アエ|鮎|「アエ」は「アユ」の転、「イ」「ユ」はよく通ふので「アイ」とも「アユ」ともいふ|福足吉坂野今丹南敦三

アガク|暴れる|「アガク」は「足掻く」で、「暴れる」意に誤用せられたもの|福足吉坂野今丹南敦三遠

アガク||「アガク」は「足掻く」で、「急ぐ」意に誤用せられたもの|足吉野

アカシモン|謎|謎の心は明かすべきものだから「アカシモノ」と為し、「モノ」が転じて「モン」になる|福足吉坂野今丹南敦三遠

アカベ|晴れ着|「アカベ」は「赤べべ」又は「明ベベ」の略で「ベベ」は着物の意味である|福足吉坂野今南敦三遠

アカベベ|晴れ着|「赤ベベ」又は「明ベベ」の意で「ベベ」は着物の小児語|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アカママ|赤飯|飯のこと小児語で「ママ」と言ふから、その色によっていったもの|福足吉坂野丹敦三遠飯

アカン|駄目|いかんいけない「いかん」が「アカン」に転じた|福足吉坂野今丹南敦三飯

アカンボ|低能児|低能児はその智能が赤ん坊のやうだからいふか、それともアカンボ「いけない坊」の義か|福

アガリト|階段|「アガリト」は「上り處」の略|坂野遠

アガリト|入口|「アガリト」は「上り處」の略、家に入るには多く高く上がって入るからいふ|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アクレバチ|暴れ者|「アクレ」は「荒くて」で荒い状態を呈することで、「バチ」は捨鉢の略か、蜂かであらう|福吉坂丹

アクレンバチ|暴れ者|「アクレンバチ」は「アクレノバチ」であり、意味は右に同じ|足坂

アクレル|暴れる|「アクレル」は「荒くれる」の意|福足吉坂野今丹南

アゲモサゲモナラン|どうにもならぬ|「アゲモサゲモナラン」は「上げることも下げることもならぬ」義|足吉坂野今南敦

アゴタ|顎|「アゴタ」の「タ」はハタ若しくはヘタの略|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アサイメ|朝||足吉野今丹南

アサイラゲ|繁?||福足吉坂野丹

アシタ|足駄|「ダ」が清音化して「アシタ」となる、或は足下と為してその「シ」を省いたものか|吉坂野丹

アジタ|足駄|単に「あしだ」の「ダ」が清音化し、その代わり「シ」が濁音化したもの、或は足下(アシジタ)がアジタとなったもの|足野

アジチ|親の分家||吉坂今丹南

アジナイ|旨くない。味がない。おいしくない|「アジナイ」は味無いである。|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アズケテクレ|預けて呉れ|「アズケテ」を「あづかって」という受け身に誤用したもの|福足吉坂野今丹

アスコ|あそこ|「アスコ」は「アソコ」の転|福足吉坂野今丹南敦三

アスブ|遊ぶ|「アスブ」は「アソブ」の転|福足吉坂野今南敦三遠飯

アセル|さはる。いぢる||野丹

アタイ(女の語)|私。わたし|「わたくし」から「わたし」更に「ワタイ」或いは「アタイ」に転じたもの|吉坂野

アタルマエ|當前|「アタルマエ」は「當前」の転|足吉坂野敦

アッタラモノ|有用なもの|吉坂野

アッチコッチ|あべこべ。|反対方角の「あっち」「こっち」が取違へられている意から来る|福吉坂野今丹南敦三

アッチャコッチャ|あべこべ。反対|「あちらこちら」といふのを方言で「アチヤコチヤ」といふ所から、それが地をかへる意になったもの|足吉坂野今丹南敦三遠飯

アッパ|大便。糞|福足吉坂野今丹南敦三遠

アッパイ|きたない||野

アッパドケ|大便所|「アッパ」は大便の意の方言、「ドケ」は「処」の訛か、或いは「処」「桶」の混成語か|福

アッパンケ|大便所|「アッパンケ」の「アッパ」は方言の大便、「ン」は「の」、「ケ」は容器、又は「ヲケ」の略|福

アッペ|きたない。きたないもの|福足吉坂野今丹南

アッポ|餅。団子|足吉野今丹南

アテスッポ|出鱈目。嘘|「アテスッポ」は「當スッポ」で、空な當の義か|福足吉坂野今丹南敦

アテバンアテモン|謎|謎は心を言ひ當てるものだから「アテモノ」と為し、転訛して「アテモン」となった|遠飯

アト|砂糖|「さたう」が「サト」になり更に「アト」に転じたもの|坂野敦

アナンボ|穴|「アナンボ」は「穴の坊」の転|足吉坂野今丹南

アノオー|あの。もしもし|「オー」は「あの」の「の」がnoだからそのoを延ばしたもの。「ソレワー」「イマニー」「ソレガー」等皆同理|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アバ(児童語)|左様なら||野

アバサケル|ふざける|「アバサケル」は「あばれ」「ふざける」の混成語か|福足吉坂野

アバン|をばんさん(中年の婦人を呼ぶ)|「オバサン」が「オバハン」となり「オバン」となる|三遠飯

アベル|浴びる|「アベル」は「浴びる」の訛|吉坂野

アホカス|馬鹿|「アホ」は阿呆の訛、「カス」は滓の意|足吉野今南

アホクサイ|馬鹿げている。阿呆らしい「アホ」は阿呆の訛、「クサイ」は面倒臭ひなどの臭ひと同じ意|福足吉坂野

アボケナシ|しまりのない者|福今丹

アホンテナ|阿呆みたいな。馬鹿の様な「アホン」は「阿呆」の意、「テナ」は「とい

った様な」或いは「見たやうな」の意|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アマ|嬢チャン||坂丹

アマエン|縁側|「アマエン」は「雨縁」の意か|吉三飯

アマダイ|針箱||丹敦三遠飯

アマンナ|大変な|「アマンナ」は「余りな」の訛か|野

アマンニャ|アムモニヤ|「アマンニャ」は「アンモニャ」の転|野

アンカ|兄||坂

アンキョロ|ぼんやり|「アンキョロ」は「安閑」と「キョロ」との混成語か|吉坂野

アングリ|がっかり|三飯

アンケツ|阿呆|「アン」は「アホン」の略「アホン」は「阿呆の」の意、「ケツ」は尻の意で賤称となる|福足吉坂南遠

アンサ|兄さん。(召使の男をいふ)|「アンサ」は「アンサン」ノ転訛|吉坂野今丹南

アンサマ|あなた(上流の家庭で主人を呼ぶ)|「アンサマ」は「あなたさま」の転訛|福吉坂野今丹南

アンサン|兄さん。あなた(目上の男を呼ぶ)|「アンサン」ハ「兄さん」の転訛|足吉坂今丹南敦飯

アンジョサン|尼さん|「庵主さん」が「アンジョサン」に転訛、そして意味も誤用されて尼さんをさすに至った|福足吉野今丹南敦三飯

アンジョースル|完全にする||野三遠飯

アンタ|あなた|「アンタ」は「あなた」の転|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アントキ|あの時|「アントキ」は「あの時」の転訛|福足吉坂野今丹南

アンチャン|兄さん|「アニ」が「アン」、「サン」が「チャン」に転じた|福足吉坂野今丹南敦三飯

アンナイ|味がない。まづい。旨くない|「アンナイ」は「味無い」か「餡無い」かの意|足吉野今丹南敦三遠飯

アンニンボ|姉|「姉や坊」が「アンニンボ」に転じたものか|坂

アンニャ|子守女|子守は多く十三四才以上の女だから姉の心持を有つゆえか|坂

アンニャ||「アンニャ」は「兄や」の転か|丹敦三遠飯

アンニャハン|姉さん|「アンニャハン」は「姉やさん」の転か|足坂今丹敦飯

アンバ|左様なら|左様ならといふ事を俗に「アバヨ」といふ、それが更に「アンバ」と

なったものか|坂

アンバイ|完全|「よい塩梅」から「完全」の意になったものか|野丹三

アンポンタン|阿呆。まぬけ|「阿呆」が「アホン」となり更に「アンポン」となり、それに「タン」を付けたものか|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

アンマ|菓子|「アンマ」は「ああうま」から来たか|福足吉野今丹南敦三飯

アンマダイコ|肩車||吉坂

アヤ|馬鹿||福足吉坂野南

アヤカレ|馬鹿||足吉坂野今丹南

アラエ|新宅。別家|「アラエ」は「新家」から来たものだらう|坂

アラコラ|あべこべ。反対||坂野丹南敦三遠飯

アラネ|霰|「アラネ」は「アラレ」の転訛|坂野

アラヤ|新宅。別家|「アラヤ」は「新家」の意|福足吉坂野今丹南

アリガトー|有りがたうございます|「アリガトー」は「有り難う」であるが、目上のものに対しても無作法にいふ事が方言である|福吉

アルンニャ|あるのだ。あるのです|「あるのだ」又は「あるのぢゃ」といふ事を「アルノヤ」更に「アルンニャ」と転訛したもの|吉坂野丹敦三遠飯

アルワイヤ|あるとも|「わい」も「や」も感動の助詞|福足坂野三遠飯

アワサ|間|「アワサ」は「あはひ」に「さ」といふ程度若くは分量を示す接尾語を加へたもの|敦

アワサイ|間|「アワサイ」は「あはひ」に「さ」といふ接尾語を加へて「あはひさ」の心持にして更に「アワサイ」と発音したものか|福足吉坂野今丹南三飯

アワス|さはす|「さはす」が「アワス」に転訛したものか、それとも「アワス」は「合す」の意で渋味を和げる意を有たせたものか|福足吉坂野今丹南敦遠飯

#イ

イエ|上|「イエ」は「うへ」の転訛|足

イオ|魚|「イオ」は「うを」の転訛|坂今三

イカイ|大きい。大きな|「イカイ」は「厳めしい」又は「厳々しい」から来たものか|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

イカイコト|たくさん。大変|方言「イカイ」に「事」を加へたもの|吉坂野今丹南三

イカッサイ|お行きなさい|「イカッサイ」は「行かれなさい」から来たものか|吉坂野丹

イカッサロ|お行きなさい|「イカッサロ」は「行かれなさらう」から来たものか|吉

イカッセ|お行きなさい|「イカッセ」は「行かれなせ」の略か、「イカッサイ」の「サイ」を「セ」に転じたものか|足坂野今丹

イカナ|本當に|「イカナ」は「如何樣なあ」の略か|吉坂野今丹南

イガム|泣顔する。曲る|「イガム」は「ゆがむ」の転訛。泣顔の意にしたのは泣く時は顔ゆがむ樣になるからか|吉坂野今丹南

イキ|雪|「イキ」は「ゆき」の転訛。|福足吉坂野今丹

イキシマ|行くをり。行く途中。行きがけ|「イキシマ」は「いきしな」の転訛|足坂野今南敦三遠飯

イキス|行きます|「イキス」は「いきます」の略、|吉坂野

イキナロメ|行きなさるな|「イキナロメ」は「行きなさらうまい」が「行きなろめえ」となり更に訛ったもの|吉坂丹

イキネエ|行きなさい|「イキネエ」は「いきなさい」が「イキナサエ」「イキネ」と転じたものか|福足吉坂

イキンシタ|行きました|「イキンシタ」は「いきました」の転訛|吉坂野今

イキンショー|行きませう|「イキンシヨー」は「行きませう」の転訛|吉坂野今南

イギリ|湯気|「いぎり」の「ぎり」は水や湯気の盛に湧出るといふ意味の語で「い」はゆの訛であらう或はむしあついといふ「熱蒸(いき)」るに関係があるか|福足吉坂野今丹南

イクセ|呉れ。よこせ|「イクセ」は「よこせ」の転訛|足吉坂野今丹南

イクニャ|行くのだ。行くのぢや|福足吉坂野今丹南

イクンコ|行くのか|「イクンコ」は「行くのか」の転訛|足坂今三遠

イクンニャ|行くのだ。行くのぢや|「イクンニヤ」は「行くのぢや」の転訛|福足吉坂野丹南三遠

イクメエヤ|行くなよ|「イクメエヤ」は「行くまいや」の転訛か|足坂

イケ|井尸|「イケ」は「池」で「井戸」の意に誤用したものだらう|福足吉坂野今丹南敦遠

イゲ|湯気|「イゲ」は「ゆげ」の転訛|野

イケイ|大きい。大きな|「イケイ」は方言「イカイ」の転|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

イケエ|大きい。大きな|「イケエ」は方言「イカイ」の転|坂丹

イケショー|行きませう|「イケショー」は「行きませう」の転訛|吉坂野丹南

イケス|行きます|「イケス」は「行きます」の転訛|吉坂野

イゴク|動く|「イゴク」は「うごく」の転訛|福足坂野今丹南三遠

イコサ|行かうよ|「イコサ」は「行かうよさあ」の略か|福足吉坂今丹南敦三遠

イサブル|ゆり動かす|「イサブル」は「ゆさぶる」の転訛|福足吉坂今丹南敦三遠

イサル|威張る|「イサル」は「ゐばる」の転訛か|坂丹

イシナ|石。石ころ|「イシナ」の「ナ」は親愛の意を有つ「ネ」と同樣な接尾語か|福足吉坂野今丹南敦遠飯

イシブネ|井戸の側のかめに水の溜つてゐるもの|「イシブネ」は「石槽」の意|福足坂野今丹

イジャ|いや|「イジヤ」は「いや」の訛か、「いやぢや」の略か|吉坂野丹南

イジャワ(主に女子)|いやよ。いやですよ|「イジヤワ」は「は「いやわ」が「いやぢやわ」の転|足吉坂野丹南

イスブル|ゆり動かす|「イスブル」は「ゆすぷる」の転訛か|福足吉坂野今丹南三遠

イズメ|藁で綬んだ乳兒を入れおくもの|福足吉野今丹南

イチャラ||「イチヤラ」は「いつやら」の転|福足坂野今丹南

イッキ|親類|「イッキ」は「一家(イッケ)」の転訛|福足吉坂野今丹南敦飯

イッキョ|親類|「イッキョ」は「一家(イッケ)」の転訛|飯

イッチョキチョライ|一番立派な着物。唯一のよいもの|「イッチョキチヨーライ」は「一帳羅」の變|坂野丹南

イッチョーライ|一番立派なもの。唯一のよいもの|「イッチョーライ」は「一帳羅」の變|福足吉坂野今丹南三遠飯

イットニ|一度に|「イットニ」は「いちどに」|足吉坂野

イテイ|痛い|「イテイ」は「いたい」の転訛|福吉坂野丹

イナキ|稻架。稻城|「イナキ」は「いなぎ」の訛|三遠飯

イナッタカ|お出でですか。御免下さい「イナツタカ」は「ゐなさつたか」の略|足坂丹

イナッテカ|お出でですか。御免下さい|「イナッテカ」は「ゐなさつてか」の略|坂

イナル|お出でになる|「イナル」は「ゐなさる」の略|福足坂野丹

イニ|犬|「イニ」は「いぬ」の転訛|吉坂野

イニミ|犬|「イニミ」は「いぬめ」の転訛で「ミ」は接尾語|足吉今丹南

イニメ|犬|「イニメ」は「いぬめ」の転訛。「メ」は接尾語|足吉今丹南

イネル|寝る|「イネル」を口語に用ひる|吉

イノク|動く|「イノク」は「うごく」の転訛|福足吉坂野今丹南敦遠飯

イビ|指|「イビ」は「ゆぴ」の転訛|福足吉坂野今丹南三遠飯

イビハメ|指輪|「イビハメ」は「ゆび慨め」の転訛|福足吉坂野今丹南三

イブ|蝦|「イブ」は「えぴ」の転訛|坂

イブル|ゆり動かす|「イブル」は「ゆさぶる」かろ「いさぶる」となり、更に略されたもの|福足吉坂野今丹南飯

イン|犬|「イン」は「いぬ」の転訛|吉坂野丹

イン|居ない|「イン」は「居ん」で、「ん」は打消の助動詞|坂今丹南

インナハイ|おはひりなさい|「インナハイ」は「入りなさい」の転訛|野今

インピツ|鉛筆|「インピツ」は「えんぴつ」の訛|福足吉坂野丹南三

イメ|夢(ユメ)|「イメ」は「ゆめ」の古語、「ゆめ」は「イメ」の転|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

イモケル|おぢける。おくせる||吉坂今丹南飯

イモジ|瞑穆|「イそジ」は「湯文字」の転訛|足野今南遠

イヤナコッチャ|いやなことだ。有難う(大野)|「イヤナコツチヤ」は「いやなことぢや」の転|足吉坂野今丹南遠飯

イヤナオケ|いやなものならおけ|「イヤナ」の「ナ」は「なものなら」の略|吉坂野丹

イヤンニャ|いやのぢや。いやだ|「イヤンニヤ」は「いやのぢや」の転訛|福足吉坂野今丹南遠

イヤヤサ|いやだよ|「イヤヤサ」は「いやよさ」の転|福足吉坂野丹

イライ|偉い|「イライ」は「えらい」の訛|足吉坂野今丹南

イリミ|煮ざかな|「イリミ」は「妙り身」の意|福足吉坂

イルリ|囲炉裏|「イルリ」は「ゐろり」の訛|足吉坂野今南三

イワキン|じやんけん|「イワケン」は「岩拳(いはけん)」で、石、はさみ、ふろしきといふからその石に因んでいふものか「キン」は「けん」の訛|足

#ウ

ウカシイ|可笑しい|「ウカシイ」は「をかしい」の訛|坂三遠

ウクル|送る|「ウクル」は「おくる」の訛|吉坂野今丹

ウザクラシイ|うるさい|「ウザクラシイ」は「むさくるしい」の訛,或は更に「うるさい」も混入か|足吉坂野今丹南敦

ウシゴロ|唖|「ウシ」は「おし」の訛,「ゴロ」は「石ころ」の「ころ」と同じ接尾語か|福足吉坂野今丹南

ウチ|私|「わたくし」が「わたし」となり、更に「わち」となり「うち」に転じたものか|福坂三遠飯

ウチアゲ|新夫が始めて妻の家へ招かれて行くこと|「ウチアゲ」は「打上」で酒宴の意,それを狭義に解したもの|吉野

ウツクサイ|美しい|「ウツクサイ」は「うつくしい」の訛|足吉坂野今南飯

ウツクソイ|美しい|「ウツクソイ」は「うつくしい」の訛|福坂今南敦飯

ウットシイ|暇なこと|「ウットシイ」は「鬱陶しい」を暇なことの意に誤用したか|福足坂今南三遠飯

ウツノ|内の。私の所の|「ウツノ」は「うちの」の訛|野

ウツル|泥や雪の中へはまる|「ウツル」は「落つる」の訛か,「うつろ」「はまる」の混成語か,方言「ごぼる」に同じ|福

ウツワ|団扇|「ウツワ」は「うちは」の訛|福吉坂野今丹南敦三遠飯

ウナジ|運|「ウナジ」は「項」で,この具合がよければ運がよいことになるか|敦三遠飯

ウヌ|君|「ウヌ」は「わぬし」又は「おぬし」の転訛|野

ウン|はい(返事。承諾)|「ウン」を同輩若くは少し目上に対して返事や承諾の意に用ひるので方言|足坂

ウンコ(小兒語)|大便。糞|「ウンコ」の「ウン」は便を出す時息を詰むの様子「コ」は小塊をさす|南敦三遠飯

ウンサン|をぢさん|「をぢさん」が「ウンサン」となり,更に「ウンサン」に転訛したか|足吉坂丹

ウンモナイ|旨くない。味がない|「ウンモナイ」は「甘うない」の転訛か|福足吉坂野今丹敦三遠

ウモー(小兒語)|牛|「ウモー」は専ら牛の啼声から來たものか,それとも「牛もーん」の合成か|敦遠

ウラ|おれ。僕|「おれ」が「オラ」となり、更に「ウラ」に転じたものか 倣りて同輩以下をさすことなく不断に同輩又は少し目上にいってゐる|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

ウラカエシマ|裏返し|「ウラカエシマ」は「裏返し」と「さかしま」との合成か|福足坂野丹敦飯

ウラガエシマ|裏返し|「ウラガエシマ」は「裏返し」と「さかしま」との合成か|坂南

ウラカシマ|裏返し|「ウラカシマ」は「ウラカエシマ」と方言でいふものを更に略したか|今丹三遠飯

ウラントコ|僕の家。私の内|「ウラントコ」は「ウラノトコロ」の訛と略,「ウラ」の説明は既出|足吉坂野今丹南敦三飯

ウランドコ|僕の家。私の内|「ウランドコ」は右の説明の通り|吉坂今丹南

ウラントコロ|僕の家。私の内|「ウラントコロ」は「ウラノトコロ」の転,「ウラノ」の「ウラ」の説明は既出|足吉坂野今丹南敦三飯

ウルシイ|嬉しい|「ウルシイ」は「うれしい」の訛|吉坂今丹

#エ

エエ|良い。いい|「エエ」は「いい」の訛|坂南敦三遠飯

エエシン|金持。富豪|「エエシン」は「いい士」が訛つて「エエシ」となり,更に「ン」を加へたもの|敦

エカイ|大きい|「嚴めしい」から來た「イカイ」が転じて「エカイ」となつたものか,それとも「でかい」が「エカイ」に転じたものか|坂野丹

エカイシュー|金持。財産家|「エカイシュー」は「大きい主」若くは「大きい衆」の意|野

エカイショー|金持。財産家|「エカイショー」の「ショー」は「主」又は「衆」の転訛|丹

エガワ|小川。江。堀|「エガワ」は「江川」か「小川」の転訛か|福足吉坂今丹南三

エク|行く|「エク」は「いく」の訛|野

エケ|池|「エケ」は「いけ」の訛|野

エコー|行かう|「エコー」は「いかう」の訛|吉野

エコマイカ|行かうか|「エコマイカ」は「いかうまいか」の訛|吉坂今丹

エズ|地圖|「エズ」は「絵圖」か,それとも「ちづ」が「イズ」となり,更に「エズ」となったものか|吉坂丹南

エタ|板。居た|「エタ」は「いた」の訛|野

エタイ|痛い|「エタイ」は「いたい」の訛|野

エチャケナ|可愛らしい。無邪氣な|「エチャケナ」は「いたいけな」から來たものか|坂

エッタ|行つた|「エッタ」は「いつた」の訛|坂

エッパイ|一杯|「エッパイ」は「いつぱい」の訛|野

エト|糸|「エト」は「いと」の訛|坂野

エネ|稲|「エネ」は「いね」の訛|野

エノク|動く|「エノク」は「うごく」が「イノク」となり、更に「エノク」になつたもの|足坂野南

エボソ|種痘。うゑぱうさう|「エボソ」は「うゑばうさう」の約略|坂野

エン|いけない。|「エン」は「いけない」の意に用ひる「イケイ」から來たか,それとも「いい」の意に用ひる「エエ」を短くした「エ」に打消のンを加へたものか|足吉今

エン|床|床を縁の意に誤用したものか|足吉坂今丹南

エン|居ない|「ゐない」を「イン」と方言でいひ,更に「エン」に転じたもの|福足吉坂丹南

エン|はい(返事)|「エン」は「エエ」の転か|野

エンキョ|隠居|「エンキョ」は「いんきよ」の訛|吉坂野今

エンゲンマナクソ|気分のよくかはること|「エンゲンマナクソ」は「変幻馬の糞」の意から來たものか|足

エンゲンマメ|いんげん豆|「エンゲンマメ」は「いんげん豆」の訛|吉

エンコ|猿|「エンコ」「猿候」の訛,次に猿候即ち猿と狭氣にとる事が方言|坂今

エンゾ|溝|「みぞ」が「メゾ」となり「メンゾ」となり「エンゾ」となつたものか|吉丹

エンネン|因縁|「エンネン」は「いんねん」の訛|

エンノヤワノ|居ないのですよ。居ないのだよ|「エンノヤワノ」は「ヰンノヤワノ」の転,そして「居ないのだよ」の意をもつ|足吉坂今丹南三

エンペツ|鉛筆|「エンペツ」は「エンピツ」の訛|吉坂野南敦三

エンボ||「エンボ」は「入れもの」が「エレモノ」となり更に「エレボン」となり「エンボ」となつたものか|野

エメ|夢|「エメ」は「ゆめ」が「イメ」となり「エメ」となつたもの|野

エモ|芋。藷|「エモ」は「いも」の訛|足吉野今敦

エライ|苦しい|「偉い」「大層」に用いる所を誤用したもの|足吉坂丹南敦三遠飯

エレエモン|偉いもの|「エレエモン」は「えらいもの」の訛|足今丹

エレル|入れる|「エレル」は「いれる」の訛|足敦

エロ|色|「エロ」は「いろ」の訛|坂野

#オ

オアンチャン|ごしそくさん(貴人の息子を呼ぶ)|「オアンチャン」は「御兄さん」の意から転じたか|坂丹

オイエ||農家の入り口に近い広間|足吉坂今丹

オイカケ|魚買に行くこと|「オイカケ」は「追い掛け」か「負い掛け」か|坂丹

オイサン|お祖父さん|「オイサン」は「おぢいさん」の略|足吉坂丹

オイジ|お前。君|野

オイデナハイ|ごめん下さい|「オイデナハイ」は「おいでなさい」の訛で,家の人がいふべき語|福

オイナ|そうだ|「オイナ」は「おいさうだ」の「おい」に「ナ」を加へたもの|福

オイヤ|さうだ|「オイヤ」は「オイ,ソーヤ」の略|坂野敦三飯

オイノレ|其の通り|足吉坂野今南

オインナサイ|お出でなさい|「オイソナサイ」は「お入りなさい」の転|福足吉坂野今丹三

オイヤ|はい(さうだ、其の通り)|「はい」といふのを「オイ」といひ、それに「ヤ」の嘆 をそへたもの|吉野丹

オイヤレ|さうだとも|「はい」とか「さうだ」とかいふのを「オイ」といひ、それに「ヤレ」を付けたもの|吉坂野今丹

オエラ|お前等|「オエラ」は「お前等」の略|野丹

オカシナ|をかしい|「オカシナ」は「をかしの」の転か、或は「をかしなる」の略|足吉坂野丹

オカッツァマ|おかみさん|「オカッツァマ」は「お母さま」の転訛|足坂今丹

オカン|母。お母さん|「オカン」は「お母さん」の略|三遠

オカメ|狼|「オカメ」は「おほかみ」の略|吉坂野

オキンノ|お気の毒な|「オキンノ」は「おきのどくの」の略、「ン」は加音或は「ノ」の転音|足坂

オキヤ|桶屋||足

オクナイ|下さい|「オクナイ」は「おくれなさい」が「オクンナハイ」となり、「オクナイ」になったものか|足坂

オクンナシテオクンナハレ|おいで下さい|「オクイナシテ」は「お来なして」、「オクレナハレ」は「おくれなされ」の義|野

オクンネンセ|下さい|「オクレネンセ」は「おくれなされませ」の転又略|野

オクモジ|お茶漬。漬物(坂井の一部)|「オク」は「おつけ」が「オツク」変り、更に「オク」に略されたものか、「モジ」は「しやもじ」の「もじ」に同じ|足吉坂野今丹南敦三遠飯

オコ|おちらし。炒麦の粉|「オコ」の「お」は接頭語、「こ」は粉|福足吉坂野今丹

オコサン|おちらし。炒麦の粉|「オコ」の説明は右の通り、「サン」は親愛の意味をもつ接尾語|野

オーゴッチャ|大変ぢや。大事だ|「オーゴッチャ」は「大事ぢや」の転訛|福足吉坂野今丹南飯

オサエ|おかず。副食物|「オ」は接頭語、「サエ」は「菜」の訛か、「副」の転か|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

オサルマカ|肩車|「オサル」は肩車の形が猿がしやがんだものに似ているからか「マカ」は不明|丹

オシトサン|お客さん|「オシトサン」は「おひとさん」の訛|福坂野

オジ|弟|「小父」は父若くは母の弟もいふ事から「オジ」に弟の意を有たせたか|丹敦三飯

オジジ|おぢいさん。祖父||福足吉坂野丹

オシマエナ|夕方の挨拶。おしまひなさい|「オシマエナ」は「おしまいなさい」の訛の略|福足吉坂丹南敦三遠飯

オジョロサン|鼠|「オジヨロサン」は「お女郎さん」の意か、又「おちよろさん」でちよろちよろするものの意か|野今丹

オスベリ|うすべり|「オスベリ」は「うすべり」の訛|足吉坂野今丹

オソ|嘘|「オソ」は「うそ」の訛|坂野

オゾイ|まづい。悪い。よく出来ていない|「オゾイ」は「鈍」の意から来たか、それとも「まづい」の音が転訛しものか|福足吉坂野今丹南敦

オチン(小児語)|正座。ちやんと座る|「オ」は接頭語、「チン」は「狆」で、よく正座する動物だからいふものか、或は「チヤント」から来たか|野丹三

オチョキン(小児語)|正座。ちやんと座る|「オ」は接頭語、「きちんと」といふ事を「チヨキン」といふからきちんと座る意になる|福足吉坂野今南

オチョル|折る|「オチヨル」は「折り取る」又は「折つている」から転じたものか、それとも「チヨ」を調子の上から加へたものか|三遠

オッカア|お母さん|「オツカア」は「おかあ」に促音を加へたもの|福足坂野今丹南敦

オッカケ|魚買に行くとこ|「オツカケ」は「おひかけ」の促音化、「おひかけ」は「追ひ掛け」か「負ひ掛け」か|坂丹

オッカハン|おかあさん|「オツカ」は「おかあ」の転、「ハン」は「さん」の訛|福足吉坂野今丹南

オッカン|おかあさん|「オツカン」は「おかあさん」が「オツカサン」となり「オツカハン」「オツカン」となつたもの|足吉坂野今丹遠飯

オッカヤン|おかあさん|「オツカヤン」は「オツカチヤン」の転|福足吉野

オッキヤ|桶屋|「オツキヤ」は「をけや」の転|野

オツクネ|握飯|「オ」は接頭語、「ツクネ」は「つくねる」の連用形で名詞となる|福足吉坂野今丹南

オツクバイ(小児語)|正しく座る。正座|足吉坂野今丹南敦三

オッサン|お坊さん。和尚さん|「オツサン」は「をしようさん」の転|福吉敦三遠飯

オッサルマッカ|肩車|「オツサルマツカ」は「オサルマカ」に促音が加つたもの、説明は既出|福

オッチャ|おとうさん。父|「オツチヤ」は「オトウチヤン」が「オツチヤン」になり「オツチヤン」になり、「オツチヤ」になつたものか|吉坂野

オッチャン|おとうさん。父|「オツチヤン」は「おとうさん」が「オトウチヤン」になり「オツチヤン」になつたものか|足吉坂野今丹

オッツァ|おとうさん。父|「オツツア」は「おとうさん」から段々転じて「オツツアン」になり「オツツア」になったものか|福足吉坂野今丹南敦

オッツァン|おとうさん。父|「オツツアン」は「おとうさん」の転訛|足吉坂野今丹南

オッツァン|主人(夫をいふ)。をぢさん|「オツツアン」は「おとうさん」の転訛で、意味を転用したもの|坂野遠飯

オッペ|芸者。遊女||坂野丹

オッケ|おくれ|「オツケ」は「お呉れ」の促音化と約音化|今丹南飯

オットシトル|黙っている|「オツト」は黙つているさにいふ、「シトル」しているの訛|野三遠

オツコンベ|正しく座る。正座||坂野

オテキ|君。お前||坂丹

オテンシュー|古い城|「オテンシユー」は「お天守」の訛|坂野

オトコメロ|粗暴で男と違はない娘|「メロ」は方言で「女」をいふ、「オトコメロ」は男のやうな女をいふ|吉坂野今丹南

オトッツァン|お父さん|「オトツツアン」は「おとうさん」が「オトツサン」となり「オトツツアン」となつたもの|福足吉今丹南三遠飯

オトト|魚。おさかな||福足吉坂丹南三

オトマシイ|惜しい|「オトマシイ」は「惜しい」の加言|福足吉坂野今丹南敦三

オドレ|おのれ(叱る場合などに用ひる代名詞対称)|「オドレ」は「おのれ」の訛|足坂野今丹南敦三飯

オドレクソ|おのれ(叱る場合などに)|「オドレ」の説明は前出、「クソ」は糞である|足坂野今丹南敦三飯

オトロシイ|恐ろしい|「オトロシイ」は「驚」から来ているらしい|福足吉坂野今丹南敦三遠

オナイコト|勝負がない|「オナイコト」は「おなじこと」の転|吉坂丹

オナギ|鰻|「オナギ」は「鰻」の訛|敦三

オナジ|運|「オナジ」は「頂」の訛か|福足吉坂野今丹

オナル|うなる|「オナル」は「うなる」の訛|野

オバ|年頃になつても、つれ合ひのない女|「オバ」は「老い婆」の義か|吉野敦三

オババ|お婆さん。祖母||福足吉坂野今丹南

オバハン|をばさん|「オバハン」は「おばさん」の訛|福足吉坂野丹

オバン|おばあさん|「オバン」は「おばあさん」又は「オバハン」の略|三遠飯

オビキサン|尼さん|「オビキサン」は「おびくさん」の訛、そして「びく」はもと男僧であるが女僧にも転用される|福坂野今丹南

オブッタン|お仏壇|「オブツタン」は「おぶつだん」の促音化|福足吉坂野今丹南敦三遠

オヘン|ありません。無いです|「オヘン」は「おません」が「おまへん」となり更に「オヘン」となつたもの|坂野敦

オボ|金持の家の男の児|「オボ」は「お坊様」の略か|足

オボタイ|重い|「オボタイ」は「おもたい」の訛|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

オマエサマ|仏間。奥座敷|「オマエサマ」は「お前様」の義、それが転義したもの|坂野

オミ|海|「オミ」は「うみ」の転|飯

オミシ|ご飯|「オミシ」は「おめし」の訛|坂今南

オメ|お前|「オメ」は「おまへ」が「オメエ」になり、更に「オメ」になつたもの|福足吉坂野

オメイ|お前|「オメイ」は「お前」の転訛|福吉坂敦三

オメエ|お前|「オメエ」は「おまへ」の訛|福足吉坂敦

オンカナ|大まかな|「オンカナ」は「おほまかな」の転|坂丹

オンサン|をぢさん|「オンサン」は「をぢさん」の転|福足吉坂野今丹南三

オンダ|をん。をす(鳥獣)|「オンダ」の「ダ」は「タ」と同じく少し軽蔑の意を有つ接尾語|福足吉坂野今丹

オンツ|をん。をす(鳥獣)|「オンツ」の「ツ」は少し軽蔑の意を有つ接尾語|福吉坂野丹

オンチャン(小児語)|をぢさん。よその大人をいう。|「オンチヤン」は「をぢさん」が「オヂチヤン」になり「オンチヤン」になつたもの|福足吉坂野今丹南三

オンドレ|おのれ(叱る時、賤める時)|「オンドレ」は「おのれ」が「オンノレ」となり「オンドレ」となつたものか|丹三飯

オンバ|乳母。産婆|「オンバ」は「うば」又は「さんば」の訛|吉坂野今丹

オンバハタオリ|機織虫||吉坂

オンボ|死人を焼く人|「オンボ」は「おんぼう」の短音化|福吉坂野今丹南敦三

オンボリ|十分に||福

オンマ|やんま(蜻蛉の一種)|「オンマ」は「やんま」の転訛|福足吉坂今

オモ|芋|「オモ」は「いも」の訛|坂野

オモイデナ|大変な||坂

オモイデナ|楽な||足吉坂野今丹南

オモイデナカッタ|大変楽だつた||足吉坂野今丹南

オモッサイ|面白い|「オモツサイ」は「おもしろい」の転訛|吉坂野南

オモッシェイ|面白い|「オモツシエイ」は「おもしろい」の転訛|福足吉坂野今

オモッシャイ|面白い|「オモツシヤイ」は「おもしろい」の転訛|福足吉坂野今丹南三

オモッショイ|面白い|「オモツシヨイ」は「おもしろい」の転訛|福足坂野丹三遠飯

オヤケ|金持|「オヤケ」は「親家」の義か、「大宅」の義か|福吉坂野今

オヤッサマ|夫をさしていふ|「オヤツサマ」は「おやぢ様」の転か|福吉坂野今丹南

オヤマ|遊女|「オヤマ」は「お山」で、「山車」を方言で山ともいふ、つまり飾つている女の義|遠飯

オロー|あら(驚きの声)||足坂野今丹敦三飯

……オーオ|……を(助詞)|オーオ。ワーア。エーエ。ニーイ等皆同様|福足吉坂丹

オカシナイ|変な|「オカシナイ」は「をかしい」の転|足吉坂今丹敦三遠飯

(未入力)

キンニョ|金魚|「キンニヨ」は「きんぎょ」の転訛|福足丹南

キンニョ|昨日|「キンニヨ」は「きのふ」の転訛|足吉坂野今丹南

キンノー|「キンノー」は「きのふ」の加音|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

キンノキ|桐の木|「キンノキ」は「きりのき」の転訛|坂野丹敦

キヤキ|欅|「キヤキ」は「ケヤキ」の転訛|足吉坂野今丹南

ギャリ|蛙|「ギヤリ」は「かへる」が「がへる」となり更に「ギヤル」となり「ギャリ」と訛つたもの|坂

ギャル|蛙|「ギヤル」は「かへる」が「がへる」となり更に「ギヤル」と訛つたもの|足吉坂野今丹南

ギャルゴ|お玉杓子|「ギヤルゴ」は前に説明した「ギヤル」に「子」が結びついたもの|坂

ギャルッペ|蛙|「ギヤルツペ」は「ギヤル」に「ツペ」という軽蔑の意ある接尾語のついたもの、又は「ギヤルンメ」の転か|坂

ギャルンベ|蛙|「ギヤルンベ」は「ギヤル」に「ンベ」という軽蔑の意ある接尾語のついたもの|坂

キューリン|胡瓜|「キューリン」は「胡爪」に「ン」を加へたもの|吉野

キョートイ|恐しい|「キョートイ」は「気疎い」の訛|飯

キョトイ|臆病な|「キヨトイ」は「気疎い」の訛|野

キリバン|爼|「キリバン」は「切り板」又は「切り盤」の意か|福足吉坂野今丹南敦三

キリモン|着物|「キリモン」は「着物」の転訛|吉坂野今

く ぐ

クグツ|叺|「クグツ」は「裏」で、藁で編んだ袋をいふ、但古語|吉坂野今丹

グズ|沙魚|「はぜ」ハ河海ノ底の砂上に静止して時々僅かに動くからいふのか|坂

クッサイ|下さい|「クツサイ」は「ください」の転訛か|吉坂

クソメヤ|馬鹿め|「クソメヤ」は「屎奴野朗」の略か、「屎奴や」の意か「ヤ」はもと感動詞からきたもので、奴と共に接尾語|吉野南

クダエ|下さい|「クダエ」は「クダイ」ノ転で「下さい」から来た訛り|敦三遠飯

クダンボ|酔つぱらひ。泥酔の状|「クダンボ」は「くだの坊」の転略で「くだを巻く人」の義、「ボ」は坊で、「人」「者」の意の接尾語|吉野

グット|多く。仰山|「グット」は「一息に」「一際勝れて」等いふ意に用ひるものが転用されたもの|足野今

クドウ|葡萄|「クドウ」は「ぶだう」ノ訛|足吉坂

クボ|蜘蛛|「クボ」は「くも」の訛|足吉坂野今丹南

グンザ|多く。仰山|「グンザ」は「グット」と「仰山」の混成語か|野

クンサイ|下さい|「クンサイ」は「下さい」又は「呉れなさい」の転訛|福足吉坂野

グンダ|野ぶだう|「グンダ」は「ぶだう」が「ブンダウ」になり更に転訛したか|三遠

グンドノ|野ぶだう|「グンドー」は「ぶだう」が「ブンダウ」になり更に転訛したものか|吉坂野丹南

クンナ|来るな|「クンナ」は「来るな」の転訛か、「来な」の加音か|足坂野今

クンナイ|下さい|「クンナイ」は「呉れなさい」又は「下さい」の転訛|足坂

クンネイ|下さい|「クンネイ」は「呉れなさい」又は「下さい」が「クンナイ」となり、更に転訛したか|足坂野

クンマキ|首巻|「クンマキ」は「首巻」の転訛か|足坂野敦三飯

……クライ(アカルイクライ)|……わい(明るいわい。明るい)|「程」「だけ」の意味を有つ接尾語「位」の転意か|足坂野丹南

クリ|小さい岩礁|水中の黒き土を「涅」といふ、それの転意か|坂飯

クルマキ|首巻|「クルマキ」は「首巻」の転訛かそれとも「くるくる巻くもの」の意から来たか|足今丹南

グレ|相手を侮辱していふ|「グレ」は「ごろつき」の「ごろ」と同類語か|飯

クレンカ|呉れないか|「クレンカ」は「呉れぬか」の転か|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

クレンナ|下さいな 下さいね|「クレンナ」は「呉れような」又は「呉れんかな」から来たか|飯

クレヤ|下さいよ。呉れよ|「クレヤ」は「呉れよ」の訛、「よ」も「ヤ」も感嘆の助詞|足吉坂野今丹南敦三遠飯

クロトト|こほろぎ|「クロトト」は「黒トト」、「トト」は小虫で、「黒い小虫」の義か|三

クワミシ|赤飯|「クワミシ」は「こはめし」の訛|坂野今

クワメシ|赤飯。おこは|「クワメシ」は「こはめし」の訛|坂野

け げ

……ケ(コレケ。ホーケ)|……か(これか。さうか)|「ケ」は疑問の助詞、「か」の訛|福足吉坂野今丹南敦

ッケ|呉れ|「ツケ」は「くれ」の約音|坂野丹

ケクレ|出て行け|「ケクレ」は「行け、行つて呉れの約略か|吉坂野丹

ケコナス|貶す|「ケコナス」は「ケナス」の加音か|野

ケタイナ|奇妙な。不思議な|「ケタイナ」は「希代な」の訛|吉坂今丹南遠

ケチナ|變な|「ケチナ」は「卑賤な」といふ意味を有つてゐるから、卑賤な者の風が變なのでいふものか|足坂野丹南

ケツカル|居る|足吉坂野今南敦飯

……ケツカレ(行ツテケツカレ)|仕舞へ (行つて仕舞ヘ)|足吉坂丹敦

ケッタイナ|奇妙な不思議な|「ケツタイナ」は「希代」なの転訛|福吉坂野丹

ケツナ|變な|「ケツナ」は前に説明した「ケチナ」の転|足野丹

ケツナナ|屎くらへ|「ケツナナ」は「けつの穴」と「屎」とは関係があり、穢い感じがするからいふ|足吉坂野今南敦

ケツネ|狐|「ケツネ」は「キツネ」の転

ケツベタ|おしり。お尻の所|「ケツ」は「穴即ち尻」で「ベタ」は「端」又は「邊」である|福足吉坂野丹南敦

ケナグサイ|こげ臭い|吉坂野丹

ケナリイ|羨ましい。欲しい|野丹敦

ケナルイ|羨ましい。欲しい|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

ケハン|脚絆|「ケハン」は「きやはん」の訛|福足野丹

ゲンカ|玄関|「ゲンカ」は「げんくわん」の略|福足吉野今南

ケンカイ|喧嘩|「ケンカイ」は「けんくわ」に調子の上で「イ」を加えたものか、それとも「けんくわ」「いさかひ」の混成語か|野敦

ゲンゴベイ|紫雲英|「ゲンゴベイ」は「ゲンゲ」の訛りに「ベイ」の接尾語を添えたものか|吉坂

ケンナイド|不意の泊まり客|「思いがけない人」の訛、略|吉丹

ゲンナン|銀杏 いてふ|「ゲンナン」は「銀杏」の訛|吉坂

ゲラ|何時もよく笑ふ|「ゲラ」は「げらげら笑ふ」の略で、「ゲラ」は擬声である。|福足吉坂野今丹

こ ご

……コ(居タンコ)|……か(居たのか)|「コ」は疑問の助詞「か」の訛|足吉坂今丹三遠飯

ゴーギニ|大變。大いに|「ゴーギニ」は「剛毅」にの濁音化か|吉坂野

コーコー|香の物|「コーコー」は「香々」の義か|福吉坂今丹敦飯

ゴーサン|仰山。澤山|「ゴーサン」は「仰山」の轉訛|足野

コーモンソ|虚無僧|「コーモンソ」は「こむさう」の訛|足

コーロ|いなご|「コーロ」は「こほろぎ」の略,古「きりぎりす」を「こほろぎ」といつたのが今に殘り,「いなご」は「きりぎりす」に似てゐるからか|今

コーロギ|いなご|古,「きりぎりす」を「こをろぎ」と言つた,その名が今に殘り、「いなご」が「きりぎりす」に似てゐる所からいふか|坂丹

ゴイシキ|雪かき(多くは木製)|「ゴイシキ」は「ゴイスキ」の轉,「ゴイスキ」はごいごい音を立てて雪をかく具だからいふか

ゴイスキ|雪かき|「ゴイスキ」はごいごい音を立てて雪を掻く具だからいふのか|吉坂南三

ゴイズキ|雪かき|「ゴイズキ」はごいごい音を立てゝ雪や土を掻くものの意か|野

ゴイス|ございます。あります|「ゴイス」は「ございます」が「ございす」となり,更に略されたもの|足野

ゴイセン|ございません。ありません。|「ゴイセン」は「ございません」の略|足丹

ゴイチビ|小指|「コイチビ」は「小ゆび」の訛に「チ」を加へたものか,又小さいものを「ちび」といふからこの意も含んでいるか|福足吉坂野今丹南敦

ゴイニ|一生懸命。一生懸命に|「ゴイニ」は「剛毅に」を「ゴーギニ」と發音し更に轉訛したもの|坂丹

ゴインサン|坊さん。僧侶|「ゴインサン」は「御院さん」から來たか,「御縁さん」の訛か|坂野

コイヤア|來い。來給へ|「コイヤア」は「來い」に「ヤア」といふ感動的助詞の加はつたもの|福足吉坂野丹南敦三遠飯

ゴエンサマ|坊様。僧侶|「ゴエンサマ」は「御院様」の訛か,「御縁様」の義か|福足吉坂野今丹南敦三遠

ゴエス|ございます|「ゴエス」は「御座います」が段々と轉訛したもの|足吉野丹

ゴエンサン|坊さん。僧侶|「ゴエンサン」は「御院さん」の訛か,「御縁さん」の義か|福足吉坂野今

ゴガアク|腹が立つ|「ゴガアク」は「業が湧く」の訛か|坂野今丹南三遠飯

コガタン|小刀|「コガタン」は「小刀」の訛|福足吉坂野

ゴガワク|腹が立つ。癪にさはる|「ゴガワク」は「業が湧く」の訛か|足吉坂野今丹南敦三飯

コキンテ|稻扱が終ること|「コキンテ」は「扱きんて」で,「扱き濟んで」の略か|坂野

ゴクドー|無頼漢。放蕩者|「ゴクドー」は「獄道者」の略|吉坂野今丹南敦三遠飯

……コク(ションベンコク)|……する(小便する)|「コク」は「放つ」

「爲す」等の意の動詞|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

コクル|すりみがく。こする。摩擦する。|「コクル」は「こする」の轉か,それとも「コクコクスル」の略か|福足吉坂野今丹南

コケ|茸|「コケ」は「苔」で,茸の義に誤用したものか|福足吉坂野今丹南敦

コケノソウ|大嘘|「コケノソウ」の「コケ」は「虚假」の義か|吉今

ゴゲンサン|坊主。お坊さん|「ゴゲンサン」は「御院さん」又は「御縁さん」の轉訛か|足吉坂野今丹

ゴザイ|來い。來なさい|「ゴザイ」は「ござれ」の訛か|足吉坂野今丹

ゴザエ|來い。來なさい|「ゴザエ」は「ござれ」の訛か|野三飯

ゴザニクイ|憎らしい|「コザニクイ」は「小面にくい」の約か|福足吉坂野今丹南

ゴザンス|御座います|「ゴザンス」は「御座います」が段々轉訛したもの|福足吉野今

コジル|横槍を入れる。屁理窟を言つて反對する|「コジル」は「掘じる」の意から來たか|福足吉坂野今敦三飯

コスイ|惡賢い||福足吉坂野今丹南敦三遠飯

ゴゼヘン|御座いません|「ゴゼヘン」は「御座いません」の轉訛|吉今丹

ゴゾッサン|御馳走さま|「ゴゾツサン」は「御馳走さん」の轉訛|野

ゴツイ|手剛い。強い|「ゴツイ」は「ごつごつとして強い」意の混成語の畧か|福足吉坂野丹南敦三遠飯

コッカコ|鷄|「コツカコ」は鷄の鳴聲から來た擬聲語|福足吉丹

コッコ(小兒語)|下駄|「コツコ」は「カンコ」等と同じく下駄の音から來た擬聲語|三飯

コツコミ|納骨寺へ參ること|「コツコミ」は「骨込」の意か|吉坂野今丹

コッシュエル|拵へる|「コツシユエル」は「こしらへる「の轉訛|福足吉坂野今丹南

コッセタ|拵へた|「コツセタ」は「こしらへた」の轉訛|福足吉坂野今丹南飯

ゴッソ|御馳走|「ゴツソ」は「御馳走」の促音化,短音化|坂野南三遠

コッチャ|こちら|「コツチヤ」は「こちら」の訛|福足吉坂今丹南敦三遠飯

コッチャ|事ぢや。事だ|「コツチヤ」は「事ぢや」の訛|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

ゴッツォ|御馳走|「ゴツツオ」は「御馳走」の轉訛|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

コッペエ|生意氣|「コツペエ」は「小ツ平」といつた様な意があるか|福吉坂野今丹南敦飯

コッペーナ|生意氣な|「コツペーナ」は「小平な」の轉か|福足吉今丹

コッペークサイ|生意氣な|「コツペークサイ」は「小平臭い」か|福今丹

コッポイ|見事||坂今

コッポリ|多く。澤山。全く|「コツポリ」は言語の擬態的な感じから來るか|福足吉坂野今丹

ゴテラ|君。お前達|「ゴテラ」「御手めえ等」の略か|野

コナイダ|此の間|「コナイダ」は「此の間」の約|福足吉坂野今丹南敦三遠飯

コニカ|糠|「コニカ」は「こぬか」の訛,「コ」は「小」又は「粉」か|足坂

コネ|子猫。小猫|「コネ」は「こねこ」の略|坂

コビ|昆布|「コビ」は「こぶ」の訛|坂

コビキ|木こり|「コビキ」は「木挽き」の義,鋸で木を挽く職業の人をいふのであるが之が誤用されたもの|吉坂野丹南敦

コビリ|中間食|「コビリ」は「コビル」の訛で,一寸した晝間食の意|足吉坂野今丹南敦

コビル|中間食|「コビル」は「小晝」で,一寸した晝間食の義|福坂三遠飯

コベノハチ|額|「コベノハチ」は「頭の鉢」の略か|吉坂野

ゴヘン|御座いません|「ゴヘン」は「御座いません」が段々轉訛して「ゴイヘン」となり、更に略されたもの|足吉野

コベンタマ|額|「コベンタマ」は「頭のたま」又は「小鬢タマ」の畧、訛。「タマ」は「玉」か|福足吉坂野今丹南

コボ|罵つて子供を呼ぶ|「コボ」は「小坊」又は「小坊主」の畧|坂野今丹

コボイモ|馬鈴薯|「コボイモ」は「弘法薯」の畧で、弘法太師から授かつた薯の意|吉野

ゴボル|雪や泥の中へ足を入れる|「ゴボル」は「ごぼごぼ足を入れてさせる」義で擬聲、擬態語|福足吉坂野今南遠飯

コマイカ|來ようか|「コマイカ」は「來ないだらうか」の意だが、それが一寸轉意したものか|吉坂野

ゴマンザイ|みづすまし|「ゴマンザイ」は「御万歳」の字をあてゝ舞ふものだからいふか|足吉坂

ゴマメ|小さい者|「ゴマメ」は「 」で小さい魚だからいふ|遠

……コン(一コン二コン)|……尾(又は匹)|魚や虫を數へる時に一コン二コン等といふ

コンカ|糠|「コンカ」は「こぬか」の訛、「こぬか」は「ぬか」に接頭語「こ」を加へたもの|福吉坂野今丹南三

コンカイヤ|來ないか。來ないのか|「コン」は「來ない」「カイヤ」は疑問兼感動の助詞|坂野丹南三遠

コンコ|香の物|「コンコ」は方言「コーコー」ともいふ,それの略か,「コーコー」は「香香」である|福足吉坂野飯

ゴンゴ|むかご。やまのいもの肉芽||野

コンコン|香の物|「コンコン」は方言の「コーコー」の訛で,「香々」の意か,それとも食べる時「コンコン」と音がするからか|三飯

コンジキ|乞食|「コンジキ」は「乞食」の加音|敦

コンジシ|根性善し。心のよい者|「コンジシ」は「根性善し」の略か|坂野丹

コンジョーシ|馬鹿|「コンジヨーシ」は「根性善し」の畧,それが轉じて馬鹿の意に用ひられたもの|福足吉坂野今丹

コンダ|此の度。此の次は|「コンダ」は「此ん度は」の約|福吉坂野今丹南三遠飯

コンタナイ|汚い|「コンタナイ」は「小汚い」の訛|吉坂野今丹南

コンニャ|今夜|「コンニヤ」は「こんや」の訛|足坂野今丹南敦三遠飯

コンネ|こんなに|「コンネ」は「此んなに」の訛,略|足吉坂野今丹南敦三遠飯

コンナワラ|斯様なもの||敦三遠飯

コンノチ|此の内。此の家|「コンノチ」は「此れのうち」の訛,略|福足吉坂野今丹南

ゴンボ|牛蒡|「ゴンボ」は「ごぼう」の訛|福足吉坂野今丹南敦遠飯

コンマキ|昆布卷|「コンマキ」は「こぶまき」の訛,又は「こんぶまき」の略|野

ゴンミョーサン|有りがたい意|「ゴンミヨーサン」は「御馳走さん」が轉義したり,訛つたりしたものか|野丹敦

ゴンメサン|御馳走さん|「ゴンメサン」は方言で「甘い」を「うめー」といふので,「御うめーさん」から來たか|野

コンモリガサ|蝙蝠傘|「コンモリガサ」は「かうもりがさ」の訛|福足吉坂今丹南三飯

コモンソ|虚無僧|「コモンソ」は「虚無僧」の轉訛|今丹南敦三遠飯

コモンソー|虚無僧|「コモンソー」は「虚無僧」の轉訛|足吉坂今

ゴロ|唖|唖を方言で「ウシゴロ」といふから,その「ウシ」を省いたものか|足吉坂今丹南敦三遠飯

コロタ|木の丸太|「コロタ」は「丸太」が「コロコロ」する様な性質のものだからいふか|足吉坂野丹南

コヤケ|貧乏の家|「金持」を「オヤケ」といふが,それは「親家」又は「大宅」の義と思ふ,それでその反對の貧乏の家は「小宅」又は「子家」の義で有らう「子家」を發音の上から「オヤケ」の「ヤ」をとつて「子ヤ家」といふのか|福足吉野今

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