国語史資料の連関 このページをアンテナに追加 RSSフィード

間違い・不足などがありましたら、せせら笑って済ませずに、コメントを頂くか、よりよいものをどこかで公開なさっていただければ、幸甚至極です。

2004-10-06

[][]姓名判断(石井研堂『明治事物起原』人事部) 姓名判断(石井研堂『明治事物起原』人事部) - 国語史資料の連関 を含むブックマーク はてなブックマーク - 姓名判断(石井研堂『明治事物起原』人事部) - 国語史資料の連関 姓名判断(石井研堂『明治事物起原』人事部) - 国語史資料の連関 のブックマークコメント

 不幸不運続きの人が、「僕は、どうしてこんなに、マイナスが続くのだらう。名前が悪いのかしら、一つ見てもらはう」とて、姓名判断屋にゆき、鑑定を頼む。すると判断屋は、ある書物を一冊出し、二、三回繙き見て、後、「あなたの、いまの名前では、もツとひどい不幸無運が来ませう。悪くすると、三年めには、大切な人が、亡くなりませう」とおどかす。この方は迷ひをるなれば、強く胸を撃たれ、つひに、性にかなひたる新しき名を付けて給はれと、新名を択ぶことまで頼むに至る。判断屋は、古書物一冊を持ち出し、これを数回ひねくりたる上、秀康とか、正明とか択び、これを命名書と印刷しある奉書に清書して渡す。上なるは、秀吉と家康より、下なるは、正成と孔明より、一字づつ採り集めたるなれど、そのことは口にせず、つひに、区役所に出す改名願まで、草案を立て、法律を潜りて成功するそのくぐる道を伝授し、定価三円五十銭を請求して、改名劇は、ここに一巻の終はりを告ぐ。

トラックバック - http://kokugosi.g.hatena.ne.jp/kuzan/20041006