韻字

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
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韻字

いんじ 韻文において韻をふんでいる文字韻字という。*韻脚と同じような意味であるが、ふむべき韻の中にある文字群、という意味で使われることもある。*押韻が、音の自然の響きによる、というよりも*韻書にしたがってなされるべきものとなってからは、詩作のためには記憶すべきものとされ、中国では簡略化された韻書編纂されたりした。中国語音節構造の異なる日本では一層記憶負担が多く、「韻字集」といったものも編纂された。『*童蒙頌韻』なども韻字を暗記するためのものである。また、漢和聯句の和句、連歌などでも韻字の規定があり、和歌を論じる際にも韻字ということが言われたりした。これは和語漢字を宛てた場合に韻を踏んでいるか否かというものを問題にするものであり、逆に言えば韻字訓読するのであって、音の響きとは関わらないのが普通である。この和句や連歌押韻には、和訓から所属の韻を検索する「以呂波韻」といったものが利用された。字音イロハ順で引く「以呂波韻」もあるが、和訓引きのものと比べて数が少ないのは、こうした用途に向かないためであろう。また別に*反切下字のことを韻字と呼ぶこともある。 (岡島昭浩

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