音韻假字用例

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音韻假字用例

白井寛蔭

おんゐんかなようれい

   音韻假字用例 二巻 白井寛蔭

 本居宣長の著せる「字音假字用格」中の如何しき點を抜きいで、又、僧義門字音説をも取り出でて論じたるものなり。「撥る韻の假字の事」といへるより、「字音呼法の事」といふ凡そ七十二項に分ちて評細に字音假字用例を論じたり。著者は其の巻頭に言ひけらく、「安永の始に鈴屋翁字音假字用格を著されたる、其の心づきいひしらずめでたく、古の書どもを徴として記されたれば、今に大かた字音假字を書かむとするには、かならす規矩とすべきことゝなりぬ。然れども其の多かる中には、猶考へもらされたるも、或は思ひひがめられたるも、さはいへど少からす、さるが中にも殊に甚しき僻ごとなるは、撥る韻の假字どもか、凡てむとのみ定められたるなり、猶、其の他にも、誤れりとおぽしきをおち/\、今彼書【字音仮字用格】を抜いでて、つらかにことわらむとす、又故義門法師か、此の書の餘論を書かれたる中にも、いかにぞやかたぶかるゝふしなきにしもあられぱ是れはた聊か抜きいでて辨へんとす、仰價なき寶の金玉の中より、たま/\砂石々見出たりとて、したり顔に論らはむは、かたはらいたきしはざなれど、大人の書きおかれたる玉勝間を見たるに、もし考へ誤れる僻ごとあらば、ふたゝび改めたゞしてよと見え、太田翁の漢呉音徴にも、略陳2所由1以竢2來哲是正1焉と見えたれぱ、今しもかく論らふを、翁たちの天かけれらむみたまも、さのみはにくみ給はじとてなむ」と云ヘり。萬延元年庚申〔二五二〇〕閏三月鏤梓。著者白井寛蔭黒川春村の門人なり。

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/kokusyokaidai/o/kokusyo_o052.html

音韻假字用例 おんゐんかなづかひ 語學書 三卷

著者白井寛蔭

【刊行】萬延元年閏三月。黒川春村の序は萬延元年七月

解説】本書は字音假名遣を研究したもので、假名遣圖一册と附説二册から成つて居る。圖は漢字字音に依つて部類分をし、「い(ア行)・い(ヤ行)・ゐ」「え(ア行)・え(ヤ行)・ゑ」「お・を」以下、か行・さ行・た行・な行・は行・ま行・ら行字音假名、及び濁音じ・ぢの假名、ず・づの假名、韻の「い・ゐ」の假名拗音下中の假名と分ち、漢字一萬二千二百餘字を擧げ、漢音呉音原音次音をあげてゐる。「附設」は圖の考證で、「撥る韻の假字の事」「耶行和行所生の事」「五音相通の事」「邑イオ共に正音の事」「喉音三行の假字韻字に據って差別ある事」「御國の漢音呉音の事」「阿行耶行和行、い(ア行)い(ヤ行)、う(ア行)う(ワ行)、え(ア行)え(ヤ行)、同字にあらざる事」「拗音直音の事」「水の字シの音の事」「雄イユウの假字の事」「尹のウヰン・イン兩音の事」「遺字ユヰの音の事」「常にはキの音に呼ぶ字をクヰと假字附たる事」「漢呉音圖開合并音註の事」「轉古音開今音合の事」等七十二條を擧げ、主として、字音假字用格の説を研究、且つ批評し、併せて義門の「男信《なましな》」(別項)「字音假字用格餘論」(字音假字用格參照)、政方の「傭字例」、全齋の「漢呉音圖」(別項)等の説を引き批評してゐる。本書は宣長の「字音|假字用格《かなづかひ》」(別項)を補訂し、字音假名遣を大成したもので、現今の字音假名遣は多くこれに據つてゐる。             〔龜田〕

新潮日本文学大辞典 亀田次郎

http://blog.livedoor.jp/bunkengaku/archives/25800718.html

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/a/kaidai_a062.html

音韻假字用例 三巻三冊

 白井寛蔭著。萬延元年刊。假名遣の圖一冊と附説二冊から成ってゐる。圖には漢字一萬二千二百餘字を擧げ、之を字音によって部類分にしてゐる。附説は主として「男信」「字音假字用格餘論」「傭字例」「漢呉音圖」等の説を引いて「字音假字用格」の説を研究し批評してゐる。前項に記した如く「字音假字用格」は字音假名遣研究として劃期的著書であり、一般に廣く用ゐられたのであるが、同時に誤謬も不備も多々あったので寛蔭は廣くこの書の全體に亘って研究し、その後の學説も參考して博引傍證以て「字音假字用格」を大成したのである。

亀田次郎国語学書目解題」)

国史大辞典 馬淵和夫

岩波日本古典文学大辞典 高松政雄

国語学研究辞典 前田富祺

書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。