青田節『方言改良論』

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
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青田節『方言改良論』

青田節

方言改良 論』

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/868689

明治21年


緒言

第一編 総論

第二編 方言ノ性質及関係

第三編 方言改良ノ必要

第四編 方言改良ノ方法


緒言

一 余嘗テ方言改良ノ事ニ心付キ全国各地ニ方言改良会ノ如キ者ヲ設置シ以テ方言ヲ改良シ邦語ノ練習ヲ為サンコトヲ冀望シタリ 然レドモ当時只之ヲ知人朋友ニ迄語リシノミニテ未ダ江湖ニ広原シ公衆ニ向テ詢リ咨ハザリシ也 然レ共今ヤ方言ノ改良セザルベカラザルコト愈々切ニシテ又黙止スルニ堪ヘザレバ校務ノ余暇ニ筆ヲ採リ以テ此篇ヲ草スル所以也

一 過般余ノ福島県下ニ到ルヤ方言僻語ノ耳朶ニ上ルモノ凡テ皆忌ムベク嫌フ可ク改メザル可カラズ正サゞル可カラザルコトヲ感ズルコト甚シ 是レ啻ニ福島県下ノミニ止ラズ奥羽ニ至ルモ此感アルベク九州ニ至ルモ亦此ノ感アルベシ 是レ則チ方言改良ノ益々急ニシテ愈々切ナル所以ナリ 是ニ於テカ方言改良ニ関シタル所見ヲ開陳シ是ヲ方言改良論ト題シ以テ四陬八僻ノ同胞ニ示シ聊カ以テ賛成同意ヲ請ハント欲スル也

一 本書ハ単ニ方言改良論ト云フト雖モ其実啻ニ真ノ方言ノミニ止ラザルナリ 某地方ノミニ通シテ他ニ通セザル言語ハ凡テ改良センコトヲ望ミタリ 故ニ方言ナル文字ヲ假リテ以テ他の訛言俗言、及ビ僻語等凡テ某地方ノミニ通シテ他ニ通セザルノ言語ヲ総括セリ 是レ亦止ムヲ得ザルニ出ヅルナリ

一 余ガ方言ト称スル範囲内ニハ古言及ビ雅語等正当ナル大和語モ含ムコトアルベシ 蓋シ縦令ヒ古言雅語ト雖モ苟モ日常ノ交際談話上ニ不便ナルモノハ余之ヲ用ユルヲ欲セザル也 人或ハ不法ノ譏ヲ為スモノアラン 然レドモ余ハ斯ク鎖細ノ事ニ迄注意スルノ必要ヲ感セザル也 只余ガ所謂方言改良ト云フハ全国普通ノ言語ニアラザル者ハ尽ク之ヲ改良スルノ意ナリ

一 書中ニ普通ノ文字アリ 之レハ通例、凡常、抔ノ意味ニ用ヒズ 言語ガ普ネク通ズルノ意味ニ用ヰタルナリ

(下略)


第三編 『日本の言語学方言

第三編・第四編、『明治以降国語問題諸案集成』



書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。