谷崎潤一郎「顔世」

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
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谷崎潤一郎「顔世」

谷崎潤一郎

戯曲


侍從 左樣でござります。今は鹽冶殿の御臺《みだい》におなり遊ばして、顏世殿と申されていらつしやいますが、大名とは申せ、あの鹽冶殿は出雲訛り?の田舍言葉?、その上聲は塔の鳩が啼くやうで、定めし夜半の睦言も鄙《ひな》びてゐることでござりませう。あれでは胡國《ここく》の夷とやらに嫁がれたと云ふ王昭君も同じこと、どんなにあぢきない月日を途つていらつしやるかと、人事ながらお可哀さうでなりませぬ。

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