詞の玉緒

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
最善の説を記録しているものではありません。変な説も記録しています。
書誌として不完全です。
項目の形に規準はほとんどありません*
「検索」ボタンを活用して下さい。 岡島昭浩がやっております。 一部、JSPSの15H01883,18520354などの恩恵を受けております。

詞の玉緒

本居宣長

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/kokusyokaidai/k5/kokusyo_ko090.html

http://blog.livedoor.jp/bunkengaku/archives/50351240.html

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/ka/kaidai_ka144.html

詞の玉緒 七巻七冊

 略して「玉の緒」とも云ふ。本居宣長著。天明五年初刊、寛政四年補刻、文政十二年再刻、その他刊期不明本二種、明治活字本本居宣長全集所収。本書は所謂手爾遠波呼應の法則を圖示した「てにをは紐鏡」について例證を掲げて説明し研究したものである。この手爾遠波呼應に關する研究は平安朝末期から歌学者の間に起って已に「手爾波大概抄」「姉小路式」「春樹顕秘抄」「歌道秘藏録」等の著があったが、いづれも皆秘傳傳授の書であり、非公開のものであった爲に、獨断的な所説たるを免れなかった。本書はこれに反し古文献によって帰納的に自由討究を行ったものであって、その學術的な所に大なる價値が存する。爾後この種の研究は本書の上にたって發展したもので「紐鏡」と共に國語學史上に一時期を劃するものである。

【末書】

* 「玉の緒繰分東条義門著、嘉永四年刊。「玉の緒」を詳細に補訂批判したもの。

* 「玉の緒解縺?富樫廣蔭箸、「玉の緒繰分」は「玉の緒」を解きほどいたものではなくむしろ縺らしたものであると云ってその縺を解くと云ふのである。

* 「玉の緒末分櫛長野義言著。弘化二年刊、「玉の緒」の不要の部分を捨て、必要の部分を抜出して、足らざるを補ったもの、(助動詞「ぬ」「つ」の本質小林好日國學院雜誌」二二ノ八・九。長野義言弖爾乎波研究。小林好日國語と國文學」五十二號參照)

* 「詞の玉緒延釣?」幻裡庵?著。「玉緒」の分類法が煩雜だと云って同類のものは一括し、又「玉緒」の引用文説明を補ひ、其他鯉・語釋についても補訂してゐる。

* 「てにをは係辭辨萩原廣道著。嘉永二年刋。「玉緒」の中の數條について論評したものである。

* 「詞の玉緒縁接?八木立禮著。明治四十二年版。(歌文珍書保存會?第一編所収)「玉緒」に考へられてゐない點、或は擧げ漏らされたる験の格などを記してゐる。

* 「詞の玉緒補遺中島広足著。安政七年刊。「玉緒繰分」「玉緒末分櫛?」「てにをは係辭辨」等に漏れたるを補ひ、又誤って居る點を正したもの。「玉緒繰分」と典に類書中で傑出してゐる。

* 「玉緒縒添」中村尚輔?蕃。「玉緒」を批評し補訂したもの。

* 「詞の八千種」(詞の本末?とも云ふ)珠阿彌著。てにをは呼應を説したもので、巻末に五十音圖を掲げて、所謂かなかへし?の法を記してゐる。

* 「詞の玉緒攷岡本保孝著。況齋叢書?所収。「玉緒」を補正したもので、巻首に「玉緒延約?」「玉緒繰分」の批評がしてあるのは注意すべきものである。

* 「玉緒変格辨黒川真頼著。明治十六年刊。「玉緒」に変格として擧げてゐる手爾波の結辭を、軽重二種に分け、それは一段と二段との結びであると言って居る。

* 「詞の玉緒頭註権田直助著。「玉緒」に關する諸家の説を述べ、自説を記してゐる。(以上本居派學者の手に成る。)

* 「てにをはしづのをたまき」牛尾養庵?著。「玉緒」の総論を反駁的に批評し、又三條の大綱の誤も正さうとしてゐる。

* 「助辭本義一覧橘守部著。天保九年刊。「玉緒」の係辭・結辭にあたるものを指辭・受辭に分けて「玉緒」を反駁的に批評したものである。

【參考】

* 字音假字用格詞の玉緒刊本につきて。亀田次郎藝文」十七ノ八。

* 本居宣長富士谷成章てにをは研究に就いて。時枝誠記國語と國文學」五ノ二。

亀田次郎国語学書目解題」)


本文影印

早稲田

近代デジタルライブラリー

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2607718

書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。