節用集

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
最善の説を記録しているものではありません。変な説も記録しています。
書誌として不完全です。
項目の形に規準はほとんどありません*
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節用集

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/sa/kaidai_sa100.html

節用集 巻数不定

 室町中期の作であるが著者も諸説あって一定しない。本書は異本が頗る多いが内容から大體伊勢本(本文の最初が「伊勢」の語で初まる)印度本(本文の最初が「印度」の語で初まる)乾本(本文の最初が「乾」の語で初まる)の三種に分ち得る。各本の所属を略示すれば次の如くである。

* (一)伊勢本

o 1 明應五年本

o 2 天正二年本

o 3 伊京集

o 4 天正十八年本及びその類本

o 5 饅頭屋本

o 6 温故堂本

o 7 増刊本

* (二)印度本

o 8 弘治二年本及びその類本

o 9 永禄二年本及びその類本

o 10 枳園

* (三)乾本

o 11 易林本及びその類本

本書は伊呂波引分類體とを併用した通俗漢和辭典である。漢字の最初の字で伊呂波順にし更に(一)天地(二)時候の如く細分してゐるが、その部門の數、細分項目は各本によって違ふ。本書は倭玉篇下學集と共に通俗辭書として代表的なもので學問上には直接大影響は與へて居ないが、最近迄いろは引辭書と云へば節用集意味する位世に行れた點は時に注意すべきである。從って前記の如く異本が極めて多い。その中易林本は廣く流布し、慶長十六年刊は「眞草二行節用集?」はその後の諸本の模範となった。元禄十一年刊槙島昭武の「合類大節用集」は節用集として完備されたものであるが、以後の刊本は反って簡便な實用的なものが出る様になった。

【參考】

* 古本節用集の研究上田萬年 橋本進吉東京帝國大學文科大學紀要」第二 大正五年三月刋。

* 節用集考 黒川春村著。「古本節用集の研究」の巻末に收む

* 明應本節用集について亀田次郎國語と國文學昭和八年五月號。

亀田次郎国語学書目解題」)

岩波日本古典文学大辞典 安田章

書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。