活語雜話

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
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活語雜話

義門

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/kokusyokaidai/k3/kokusyo_ku038.html

活語雜話 くゎつござつわ 語學書三編〔著者〕東條義門

【刊行】初編は天保九年刊。天保四年三月十二日の自序あリ。第二編は同十年刊。同十年正月二十三日の自序あり。第三

編は同十一年十一月稿成り、同十三年刊。第三編の後摺本には伊藤馨の序文がある。初摺本にはない。

【内容】活用に關する研究を集めたものである。初編の冐頭に署者自ら記する所では、郷里若狹の小濱の友人及び著者が京都や江戸へ出た時に、その地や諸國の人々と、言葉活用に就いて話したが、それを折々に書き止めて置いたものを集め、且つ自分一人の活用についての研究をも加へたものである。初編には「自他の詞の事」「をれる斗ぞ女郎花」「給はせる・給はせたる」「いたる・いたれる」「八衢序なる詞の活きの事」「ゐる・をる」「古と今と活きさま異なる詞ども」等三十箇條を集め、第二編には、「又をれる斗ぞをみなへし」「活用五轉のすべてのさだ」「友かゞみ答問」「もみだん・まくらく」「ゆけはゆく・ゆけはゆきの是非」「見ゆ也・見ゆる也の類」「詞を釋くに妄りに延約をもてすベからざる事.附あさまし」等二十五箇條を擧げ、第三編は「植しうゑば」「かなし・悲む・かなしげ・うつくしげ」「みだす・みだる」など活用に關するもの、及び「は文字して受たるに、截るゝ言にていふと、連く言にていふと、又は文字ならでも此別あるさだ」など、係結に關する研究等二十五箇條を集めて居る。なほ第三編の卷末に、この書稿本には「用ひ」と書いてゐたのを、板にする時、すべて「用ゐ」と改めたが、その理由は第四編に記すと云つてゐるが、第四編は出來ないで著者は寂した。

【價値】本書は、主として活用に就いての斷片的研究を集めたが、何れも深い研究と穩當な見解とによって成り、學術的に勝れた價値を有つてゐる。一面また當時の國語學界の情勢を傳へてゐるので、著者義門の傳記賓料として、また國語學史研究の資料として甚だ貴重なものである。

【參考】東條義門の三語學書の初刊について 龜田次郎(藝文一七ノ一二)       〔龜田〕

http://blog.livedoor.jp/bunkengaku/archives/25001330.html

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/uwazura/syomokukaidai/ka/kaidai_ka066.html

活語雜話 三編三冊

 東條義門著。天保九年──天保十三年刊。なほ第四編も續いて著す心算らしかったがその功を見なかった。本書は著著が郷里に於いて或は京都・江戸その他諸國の學者達と會談した結果を集録したもので、主として活語に關する断片的研究である。併してその深い研究と穏當な見解とは高い學術的價値を有ってゐると同時に亦諸國の學者との會談を基にして成った本書は義門の傳記資料として、又當時の國語學界の状勢を示すものとして甚だ貴重なものである。

【參考】

* 東條義門の三語學書の初刋について。亀田次郎 「藝文」十七ノ十二。

亀田次郎国語学書目解題」)

書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。