松下大三郎「ア氏の相対性原理は迷妄なり」

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松下大三郎「ア氏の相対性原理は迷妄なり」

松下大三郎

1923

アインスタイン 相対性原理


国学院雑誌』29-1 pp.1-47

http://www.let.osaka-u.ac.jp/~okajima/PDF/matusita/einstein.pdf


序説

空間の相對性及び物體の相對的運動(ア氏)

空間絶對性の證明、ア氏の空間は實在せず(卑説)

空間即物論(卑見)

光速度の絶對不變、並に物體の短縮 (ア氏)

光速度不變の原則のニ重概念、マ氏實驗装置の改良(卑説)

時間の相對性、絶對同時刻の否定(ア氏)

時間の絶對性、相對論は内部に矛盾有り(卑説)

ア氏の短縮率は非數學的なり、新伸縮率(卑説)

空間の歪曲(ア氏)

空間の歪みに非ず、力の歪みなり(卑説)

結論、相對性原理の消滅



 アインスタインは相對性原理の邪路に迷ひつゝも其の迷へる地方から三つの土産を持つて来た。曰く「エーテルの否定」曰く「光源の運動は光速度に關係しない」曰く「光は引力の場に於て彎曲する」

此の三つはアインスタインの發見した真理である。相對性原理は消滅しても此の三つの真理と共にアルベルト、アインスタインの功績は永久に朽ちない。コロンブスが印度を發見することは出來なかつたけれども却つて西印度を發見し得たやうなものであらう。アインスタインは依然として物理學界の偉人である。それは自ら相對性原理を取消すことに於て益其の偉大の度を加へるであらろ。

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