敷田年治『音韻啓蒙』

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敷田年治『音韻啓蒙』

音韻啓蒙 語學書 二卷

著者敷田年治

【刊行】明治七年五月刊。森美名?の序(明治三年正月)、多湖雅忠?の跋あり。

【内容】國語音韻を研究したものである。上卷には「正音五十に定まれりと云事」(ア行のイヤ行のイア行のウワ行のウア行のエヤ行のエの別を論じて、我が古音は五十あつた事を出説く)。「五十音全圖」「反切音の事」「音韻と云ふ事」、「轉音」「異音(普通に用ひない字音古書に見えるもの。阿《オ》・以《エ》・宇《ム》・于《ヲ》等)」の六項。下卷には「拗音と云事」「拗言の事」(延言の類)、「拗例之圖」(著者の所謂拗言のある字を五十音圖のやうに記す)、「略音の事」「轉語の格」「第一位にウ音を加る事」「安行引聲」「言語の中下に安行の音なき事」「直語より拗語となりて活用ある事」「未だ定らざる假名」「万行の言語波行濁音に轉る例」「呉音漢音と云差別」の十二項について論じてゐる。

【價値】漢字の音韻についでは室町時代以來研究が行はれ、徳川時代に於いては殊に盛んであつたが、國語音韻研究としては、その全般に亙るものは徳川時代には現はれなかつた。本書は國語音韻のほぼ全體に亙つて研究して居るものであつて、その點に於いて注意すべきものである。その所説はまゝ首肯し難い點もあるが、大體確實な資料に依つて穩當な結果に逹してゐることは、著者時代から觀て、注目に値するものである。  〔龜田〕

http://blog.livedoor.jp/bunkengaku/archives/25799996.html

http://blog.livedoor.jp/bunkengaku/archives/50470743.html

音韻啓蒙 二巻二冊

 敷田年治著。明治七年出版國語音韻を大體全般的に研究したもので「正音五十に定まれりと言事」以下十二項に亘って論じてゐる。漢字音についての研究は室町時代以來行はれ、徳川時代に殊に盛んであったが、本書の如く全般的に亘った研究は無かった。この點で本書は注意すべきであり、その所説も確實な資料によって穏當な見解をなしてゐる。

亀田次郎国語学書目解題」)

http://dbrec.nijl.ac.jp/KTG_W_257465

http://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/ho02/ho02_00284/index.html

書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。