故実読み

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故実読み

故実読 《文字語彙漢字で書いた語を、古来の慣例に基いて特別な読み方をすべきもの。『言泉』(落合直文)にこの語がある。新しい成語であろう。その語にあてた漢字を読む場合に、(1)その発音が忌むべき連想を生ずるのを避けたもの、例えば「笏」(骨に通う)を「シャク」、「横笛」(王敵に通う)を「ヤウデウ」の如きもの、(2)慣用上いつしか変遷したもの、例えば「掃部」(古語、カリモリ)を「カモン」、「主水」(古語、モヒトリ)を「モンド」、「服部」(古語、ハタオリベからハトリベ)を「ハットリ」の如きもの等、種々の事情で生じた。したがって通俗の語にも少なからぬものだが、有職故実の上では重大なこととして、その読み方を違えてはならぬとした。そのために『名目抄』(『群書類従』所収)という専書もできたが、これは公家故実だけのものだ。その例をあげると「定考」(逆にカウヂヤウという)、「議所」(ギノトコロ)、「軒廊」(コンラウ)、「射礼」(ジャライ)、「賑給」(シンゴウ)、「太元帥法」(ダイゲンノホウ、帥をよまぬ)、「防鴨河使」(バウカシ、鴨の音が省かれた)等で、一々習わねば知られぬものである。  〔山田孝雄

国史大辞典 山田俊雄

国語学大辞典 築島裕

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