和魯通言比考

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和魯通言比考

和魯通言比考 (Russko-Japonskij Slavar.)

 露人ゴシケーウイヅチ(I. Goskevicen.)著。邦人橘耕齋?補助。西暦一八五七年(安政四)。ペテルブルク(St, Petersburg)版。本書はその序文中に日本語文字漢字、欧洲人の研究、編纂の由來刊行の経緯等を詳述してゐる。本文は伊呂波順配列し、各語の詞に片假名その原字の漢字萬葉假名平假名を大文字であらはして見出とし、各葉縦に二欄に分ち、各語を片假名漢字・露語であらはし、最後に訓音を片假名で示してある。又本文の解釋に駿州方言が変ってゐる様である。これは補助者の故郷である關係から起った現象らしい。本書は露人の著作の國語學書の嚆矢である。著者は開國當時最初の函館駐在領事で八年間在留し外交上手腕を振った人で、又補助者橘耕齋は當時鎮國時代に彼地へ密航し後明治初年に歸朝した人でその生涯も數奇波瀾を極めたのである。この點から見ても面白い。

【參考】

* 露都創刋日露辞典及其編纂者亀田次郎 「國學院雜誌」第二十九巻第十一号。

亀田次郎国語学書目解題」)

書籍からの画像で注記のないものは、著者の著作権が切れ、刊行後五十年以上経っているものである筈です。