二語文

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
最善の説を記録しているものではありません。変な説も記録しています。
書誌として不完全です。
項目の形に規準はほとんどありません*
「検索」ボタンを活用して下さい。 岡島昭浩がやっております。 一部、JSPSの15H01883,18520354などの恩恵を受けております。

二語文

国語学辞典 矢田部達郎

二語文 (心理)子供が最初に語を発音するのは早い者で八-九カ月、平均一年三カ月ごろであるが、その時分の単語はだいたい文の役割を果すから、それを一語文と言う。それから、かなり長い期間の後に二語を連続して同時に発音することができるようになる。二の期間にも個人差があつて、五カ月ないし十二カ月と言われる。これを二語文と言う。二語の連続には種々の型があるが、まず「ウマウマ」「ワンワン」等は一語であって二語ではない。「バッチ・キタナイ」のごとき同義語の反復も比較的早く現われるが二語文ではない。「力ーチャン――ボーチ」というのは母さんよ帽子をかぶれという意味であり、「イヤイヤ――オカチ」というのは寝るのはいやで、その前におかしがほしいという意味であるから、これらはむしろ一語文の連続であって、これもまた真の二語文ではない。そして、この一語文の連続の方が概して二語文よりも早く現われる。真の二語文は「ミカン・チョーダイ」「オバチャン・オカシ」(おばさんがおかしをくれた)「カーチャン・イコー」(母さんと散歩に行こう)等のような比較的関係の深い二語の結合でなければならない。これを言うのはだいたい一年六カ月ごろから可能になる。          〔矢田部達郎

書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。