二百六韻

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二百六韻

にひゃくろくいん 『*広韻』の*韻目の数。平声五七韻(上平二八・下平二九)、上声五五韻、去声六〇韻、入声三四韻。『集韻』『*礼部韻略』等も同様に二百六韻である。『*切韻』の韻目数は一九三、孫愐唐韻』は一九五であったと推定され、『広韻』より少ないが、『切韻』で一つの韻だったものを、開合の差(介母の有無)によって二つの韻に分けることを行った韻があるために韻目の数が増えたのであって、音韻変化によるものではない。なお二百六韻は、四声の区別を無視すると六一韻(去声の六〇に、去声では区別していない平声の諄韻と臻韻の別を加える)となる。詩作の際には、一〇六韻の*平水韻が用いられるのが普通であるが、二百六韻は、韻目の数としては最も多く分けられているので、漢字音を記述する基礎となる。しかしそれでもなお、一つの韻の中に開合を異にするものや、等韻学にいう等呼を異にするものを含んでいるので、漢字音を厳密に記述するには、等韻学の成果を利用して、*韻母を三百以上に分けなくてはならない。

参考文献〕○清代経学の研究班「顧炎武『音論』訳注」『東方学報』五一号 昭和五三年) (岡島昭浩

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