三十六字母

国語史・日本語史周辺(日本文学・日本史・言語学などなど)の覚書です。
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三十六字母

さんじゅうろくじぼ 字母とは一つの*声母をある一字で代表させたものであり、三十六字母というのは、三六種類の声母の存在を示唆する。〈重唇音〉幇滂並明〈軽唇音〉非敷奉微〈舌音〉端透定泥〈舌上音〉知徹澄嬢〈牙音〉見渓群疑〈歯頭音〉精清従心邪〈正歯音〉照穿牀審禅〈喉音〉影暁匣喩〈舌歯音〉日来。三六という声母の数は、ある一時代の音韻体系を表しているという考え方と、*悉曇の知識を中国語に当てはめただけ、という考え方がある。いずれにせよ『*切韻』の時代よりも後に起こった音韻変化を反映しており、宋初の頃の音韻に基づいていると考えられている。切韻時代の声母としては、唇音軽重の差は不要で、また正歯音は各々二等・三等の二つずつに分つなどの必要がある。三十六字母は『*韻鏡』『七音略』等の韻図に見えるほか、『五音集韻』・『*古今韻会挙要』等の*韻書でも声母を表示するのに用いられるなど、伝統的に使われた。〔参考文献〕〇趙蔭棠(趙憇之)『等韻源流』(一九五七年〈中国〉商務印書館・一九七四年〈中国〉文史哲出版社)〇李新魁『漢語等韻学』(一九八三年〈中国中華書局) (岡島昭浩

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