ことばの泉

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ことばの泉

ことばの泉 辭典一册

【編者】落合直文

成立・刊行】明治二十九年稿成り、同三十一年刊。なほ著者は本書刊行後、増補訂正に着手したが、業を終へずに歿したので、嗣子直幸著者の門弟と共に増補の業を繼ぎ、五年を費して「大増補日本辭典ことばのいつみ補遺」一册を明治四十一年に刊行した。補遺の部に收めた語は七萬餘である。大正の初年に至り、更に芳賀矢一が、十萬餘語を増補し、全部に改訂を加へ、「言泉」と題し、本文五卷・索引一卷とし、昭和四年から五年にかけて刊行した。

【内容】直文は「ことばの泉」を編纂するに際して二つの目的を有つてゐた。一つは、國語國文に關する一般的な事は、他に辭書を具へなくても、本書だけで事足るやうにといふ事、他の一つは、使用の便宜から、餘り浩瀚にならぬやうにといふ事であつた。その結果、所牧の語は古代かち現代に及び、語の種類は單に文學書類に見えるもののみでなく、政治・宗教・哲學・醫學・動植物に及び、又人名地名書名年號等一般固有名詞をも含んでゐる。その結果、國語辭書とは云ふものの、一面百科辭書を兼ねたものである。而して大部なものにならぬやうにと計つたから、語釋は自然簡單である。所收の語彙十二三萬、これを五十音順に排列し、用例出典なども簡單に擧げてゐる。

【價値】本書の特徴は、語彙の範圍が頗る廣い點に在る。然しこれは一面本書の缺點でもある。即ち簡單な事は本書で一通りは用を便ずるが、少しく專門的な方面に用ひようとすると、語彙に於ても不十分であり、語釋も要を得てはゐるが、簡單を旨としてゐるから十分とは云ひ得ない。その辭書としての史的地位は、「言海」(別項)に遠く及ばず、内容的價値に於ても「言海」を凌駕してゐるとは必ずしも云ひ得ないが、明治時代に於ける國語辭書としては、「言海」に次ぐものとして注意すべきである。なほ改修せられた「言泉」は頗る面目を改め、語彙の豐冨なことは、今日のところ國語辭書中第一である。然しその學術的價値は必ずしも「大日本國語辭典」(別項)の上にあるとは斷言し難い。

【參考】落合直文先生と其歌 早川幾忠(光五ノ七) 

       〔龜田〕

http://blog.livedoor.jp/bunkengaku/archives/26009150.html

ことばの泉 一冊

 落合直文の著。明治三十一年刊。四十一年嗣子直幸「大増補日本大辭典ことばの泉補遺?」一冊刊行。昭和五年芳賀矢一増補本「言泉出版完成。本書所收の語彙は古代から現代に及びその種類は政治・宗教・哲學・醫学乃至自然科學に及び固有名詞も亦網羅してこれを五十音順に配してゐる。その語彙ことばの泉」十二・三萬、「補遺」に於いて更に七萬餘、「言泉」では更に十萬餘語を増補してゐる。國語辞書と云ふものゝ百科辭典の観がありその特徴は語彙の豊富なるにあるが。その語釋の簡に過ぎるのは學術的價値の點から惜しむ可きである。

【參考】

* 落合直文先生と其歌。早川幾忠?「光」第五年七号。

亀田次郎国語学書目解題」)

近代デジタルライブラリー

http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/862876

書籍からの画像で注記のないものは、著作権法上の「引用」の範囲内であるか、著者の著作権が切れて刊行後五十年以上経っているものである筈です。